Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

価値あるグランクリュ

2011-09-21 | 試飲百景
2010年のグランクリュリースリングつまりグローセスゲヴェックスの試飲結果を纏めておこう。

先ず最初に試したのがダイデスハイムのフォン・ブール醸造所のリースリングであった。その次となったバッサーマンヨルダン醸造所で二種類を試飲した。

本来ならば、キルヘンシュテュックを筆頭に、イエズイテンガルテン、ホーヘンモルゲン、カルクオーフェンそして非売品のフロインドシュトュックが各々の土壌を生かして醸造されているのだが、今年はキルヘンシュトュックも非売品である。さらに売り切れのためそこから試飲できるのは僅かイエズイーテンガルテンとカルクオーフェンとなった。

更に驚くことにはこの醸造所のラーゲンヴァインつまり名有る地所からのワインも全て売り切れていたのである。例年に比べて半分以下の収穫量は疎らな開花の時期のずれによるのだが、今までこうした現象はあまり記憶が無い。近辺では2006年産が腐りのためビュルクリン・ヴォルフ醸造所で三分の一以下になったときも、ダイデスハイムの地所を主力にするこの醸造所ではそのようなことは無かったのである。もはや、新年までは購入できるリースルングは殆どなくなったので、買い取った葡萄で造った2009年産のリースリングをアルテレーベンとして販売しているぐらいなのである。単純なカビネットリースリングは、酸と残糖感が綯い交ぜになって今ひとつである。

だからといって、手の掛かったグローセスゲヴェックスが悪い訳ではない。寧ろ大成功しているような気がするのは、酸が激しく、いつもの重い酸の印象よりも強い酸を感じさせる仕上がりとなっているからである。

予想として、石灰質の土壌ゆえに角が落ちてしまうカルクオーフェンが買いだと思っていたが、その傾向は間違っていなかったが、2009年の完成度からすると若干イガイガ感がある。その点で予想以上に良かったのはイエズイーテンガルテンであり、長く寝かせても全く心配のいらないワインである。早めに飲もうとすればやはり前者の方が良いかもしれない。徐々に透明度でビュルクリン・ヴォルフのそれに近づいてきている。

今回は試飲出来なかったが、ペッヒシュタインも大変楽しみである。8月14日に書いた記事「自主避難の自主判断基準」のように2008年産を試してから予約注文をしたのだった。「2002年産が最近素晴らしかった」と聞くと、今年のこれもなんら心配なく寝かせておける。

もう一つ予約注文していたホーヘンモルゲンであるが、これも全く問題ないことは分っている。今年のバッサーマンヨルダン醸造所のグローセスゲヴェックスは、長く価値が出るように思われる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする