Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

盛夏らしい新聞のネタ

2012-07-26 | マスメディア批評
この時期となると音楽祭のそれと共に山の話題が日刊紙を賑わす。特に今年はヴァリスでの4000M超え頂上下での二家族墜落死やモンブランでの雪崩での大量死などが大きく取り上げられて、オリムピックの公開競技となるクライミング繋がりでのアルピニズムツーリヅムの広がりが話題となっている。

要するに嘗てならば特殊な世界であったアルプスの高峰やヒマラヤまでがツーリズムの一領域として広範な市場を獲得してきていることを指している。なるほど我が周りのドイツアルパイン協会の面々を見ても、長くアルピニズムに関わってきた者よりもクライミング繋がりの者が少なくなくなってきている。

また道具の新開発や軽量化などで苦労しないでも高峰へと踏み入れる安易さが加速してきていて、個人的には大変喜ばしいことであるが、嘗ての装備であれば躊躇うような場所にでも足を踏み入れ易くなってきていることは事実であろう。

そのような時期であるから生誕百歳のハラーの誕生日が恵まれていると思ったが、もう一人現役の有名登山家の70歳の誕生日が三面記事で紹介されていた。知る人ぞ知るトニー・ハーベラーで、ラインホルト・メスナーはこのパートナーをして「ドイツ語圏で最も強い登山家」と称えている。

典型的なオーストリーの山岳・スキー国定教師で、ガラスの絵付けを修行した後、若くして指導的な立場にあったようだが、メスナーとブロードピークをアルパイン方式でシェルパや固定ロープや中継キャムプを使わず無酸素で登り、無酸素でのエヴェレストの初制覇で一躍有名になった。

アイガー北壁の十時間完登の最短記録も、たとえアイガーサンクションの映画の撮影の固定ロープを使ったとは言われているが、その後三十年以上更新されなかった事でもその強さが窺い知れる。

最近は自らが率いる登山学校の生徒お客さんを連れて、スケージュールの合間も無く世界中の山を登っているようだが、その後二回に亘るエヴェレストは登頂出来ずにいるらしい。

我が靴屋の契約アドヴァイザーであり、その比較的涼しそうな風貌で馴染みのある登山家である。



参照:
精神錯乱狂想の神の座 2006-10-25 | アウトドーア・環境
魔物が逃げ隠れるところ 2008-01-16 | 雑感
ヒューマニズムの挑戦 2006-05-29 | アウトドーア・環境
「ここからドロミテが一番美しい。」 2004-11-22 | アウトドーア・環境
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする