Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

脱原発の経済への負荷

2012-07-17 | 雑感
再生可能エネルギーや今後のエネルギー政策に関する話題が絶えない。細かく追っていきたくともあまりにも多岐に及び時間が許さないので見出しの印象だけでも記録しておく。

重要な点は連邦共和国における原発政策とフクシマ後の脱原発で生じた一時的な経済的な変動である。原発の操業者は脱原発政策に対して十億ユーロの保証を求めており、これは最終的に憲法裁判所でその有効性が審査される。

その一方、再生可能エネルギーへの各々の投資額が予想以上に上回ってきていることで、特に甚だしいのは北海海上風力発電の50%に上る投資の増加と、既に伝えたような投資家の確保である。技術的にも経済的にも予想を遥かに上回る見込みで、2030年までの予定通りの電気供給量はもはや現実的ではなくなってきていることなのである。

同じように太陽熱パネルの建設も予定よりも十億ユーロほど投資規模が上回ることが明白になってきていて、当初予定していたような経済性は到底確保できないことが分ってきている。

そもそも脱原発による再生可能エネルギー構想は理想を求めたイデオロギーに彩られていたことは周知の事実であり、現実的な経済性は可也いい加減に見積もられていたことが分っている。

反対に、最大の懸案となっていた電気の蓄電方法に関しては様々な方法への研究が積み重ねられていて、損失の少ない比較的古典的な方法なども使われると、再生エネルギーにおいてもまた原子力エネルギーにおいても最大の問題であった発電のし過ぎとピーク時に合わせた貯蓄が可能となる。

再生エネルギーにおいては発電量よりもその不安定さこそが克服されなければいけない問題なので、原子力以上に蓄電とスマートグリット化が重要になるのは言うまでも無い。

余談であるが、フランスのフィガロ紙の編集長が交代となる。サルコジ支持から敗北後、オーナーの意向で残留とされていたが、矢張り交代することになったと言うことである。ネットで見出しだけは毎日見ているのが、それだけでは編集方針までは詳しくは分らない。



参照:
ブロキュパイの週末を終えて 2012-05-22 | 歴史・時事
風向きを見極め、早い見切り 2012-01-05 | アウトドーア・環境
再生不可能な科学的教養 2011-08-09 | 文化一般
デジャブからカタストロフへ 2005-02-19 | アウトドーア・環境
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする