ザイルが届いた。世界で最も高級なハイエンド商品である。フランスのベアール社のもので、軽量且つ多目的なので一部では最もポピュラーな製品でもある。自身これで二本目の同じ商品であるが、色違いである。古いのは紫でシックであったが、今回の方は黄色で奇抜で中間の黒のマーキングも見やすいだろう。
特に先日来墜落をニュートン物理にて分析したところ、そのしなやかで十分な伸び率があり、つまり衝撃を吸収する能力に優れたこのザイルの価値を改めて確認したのであった。
それでも三回目の墜落で被覆が完全に切れてしまったのは、その伸びが収まる前に墜落が繰り返されて、振り子でオヴァーハングの角を擦ったからに違いない。なるほどメーカーの説明書にはシングルロープとして使用するときには角での耐久性は保障されていないのである。
まさしく井上靖で小説化された「氷壁」の素材となったナイロンロープ切断事故の特徴と変わらない。特に従来ならばこの9.1mm径のロープはダブルロープとしてしか使えなかったものであり、現在も10mm以上のシングルロープならば角での保障はある程度されている筈だ。
価格からしてもスイス製マムムートの製品は更に高価でありえるのはその太さからしても当然なのであるが、それ相当に重量も重なる。このベアールの「ジョーカー」はメートルあたり僅か53Gであり、シングルロープとしては最軽量である。
更に必要ならば角での保障がされているダブルロープやツインロープとしても使えるのが唯一無二の価値となっている。ハイエンドと言ってもグランクリュ7本ぐらいの価格であり、それで墜落の衝撃を吸収してくれて尚且つ軽いので助かる。なによりも生き死を左右することを計算すればするほどその価値が明白になったので安いものである。
嬉しいのは、ザイルサックが改良されていることである。この冬に氷柱登りに行った時に氷点下摂氏二桁でぱりぱりと簡単に割れてしまった窓がメッシュになっていて、雨水は掛かるが、ザイルは完全防水なので全く問題は無い。更に破れてしまったシート部分の素材も変わっていて、明らかに強さそうな割りに重くなっていない。細かな製品改良への意欲が見えてとても好ましい。
同時にエーデルリット社のHMS確保用にストッパーがついている70グラムしかないカラビナを購入した。太いザイルの場合ハーフマストノットが使いやすいかどうかは使ってみなければいけないが、少なくとも大きな壁を登るときには誰も11m径のザイルを使っていないので大丈夫であろう。
反対にDMM社の特大HMSカラビナを購入した。これは足場支点で様々な作業をするときに使いやすいように大振りのものにしたのである。先日クラック深くに落としたマムムート社の真新しいHMSの代わりに購入して、また現在使用しているマムムート社の大振りのHMSが砂を噛んだザイルでボロボロになったのでゲレンデ専用に下ろすためである。新旧のマムムートのHMSの其々72G、98Gの重量が、今回これで70Gと83Gと約17Gほど軽量化できることになる。
更にDMM社製のミニカラビナを購入してみた。色分けが出来そうなのでベルトに整理すれば使いやすくなるだろうか試してみたい。なによりも開閉口が開いたままの強度が9kNあるので、今期のドイツ山岳協会の機関誌にある推奨最低強度を満たしていることになる。
参照:
バンジージャムプ並の転落 2012-06-18 | アウトドーア・環境
乾燥して爽快な水曜の晩 2012-07-21 | 暦
特に先日来墜落をニュートン物理にて分析したところ、そのしなやかで十分な伸び率があり、つまり衝撃を吸収する能力に優れたこのザイルの価値を改めて確認したのであった。
それでも三回目の墜落で被覆が完全に切れてしまったのは、その伸びが収まる前に墜落が繰り返されて、振り子でオヴァーハングの角を擦ったからに違いない。なるほどメーカーの説明書にはシングルロープとして使用するときには角での耐久性は保障されていないのである。
まさしく井上靖で小説化された「氷壁」の素材となったナイロンロープ切断事故の特徴と変わらない。特に従来ならばこの9.1mm径のロープはダブルロープとしてしか使えなかったものであり、現在も10mm以上のシングルロープならば角での保障はある程度されている筈だ。
価格からしてもスイス製マムムートの製品は更に高価でありえるのはその太さからしても当然なのであるが、それ相当に重量も重なる。このベアールの「ジョーカー」はメートルあたり僅か53Gであり、シングルロープとしては最軽量である。
更に必要ならば角での保障がされているダブルロープやツインロープとしても使えるのが唯一無二の価値となっている。ハイエンドと言ってもグランクリュ7本ぐらいの価格であり、それで墜落の衝撃を吸収してくれて尚且つ軽いので助かる。なによりも生き死を左右することを計算すればするほどその価値が明白になったので安いものである。
嬉しいのは、ザイルサックが改良されていることである。この冬に氷柱登りに行った時に氷点下摂氏二桁でぱりぱりと簡単に割れてしまった窓がメッシュになっていて、雨水は掛かるが、ザイルは完全防水なので全く問題は無い。更に破れてしまったシート部分の素材も変わっていて、明らかに強さそうな割りに重くなっていない。細かな製品改良への意欲が見えてとても好ましい。
同時にエーデルリット社のHMS確保用にストッパーがついている70グラムしかないカラビナを購入した。太いザイルの場合ハーフマストノットが使いやすいかどうかは使ってみなければいけないが、少なくとも大きな壁を登るときには誰も11m径のザイルを使っていないので大丈夫であろう。
反対にDMM社の特大HMSカラビナを購入した。これは足場支点で様々な作業をするときに使いやすいように大振りのものにしたのである。先日クラック深くに落としたマムムート社の真新しいHMSの代わりに購入して、また現在使用しているマムムート社の大振りのHMSが砂を噛んだザイルでボロボロになったのでゲレンデ専用に下ろすためである。新旧のマムムートのHMSの其々72G、98Gの重量が、今回これで70Gと83Gと約17Gほど軽量化できることになる。
更にDMM社製のミニカラビナを購入してみた。色分けが出来そうなのでベルトに整理すれば使いやすくなるだろうか試してみたい。なによりも開閉口が開いたままの強度が9kNあるので、今期のドイツ山岳協会の機関誌にある推奨最低強度を満たしていることになる。
参照:
バンジージャムプ並の転落 2012-06-18 | アウトドーア・環境
乾燥して爽快な水曜の晩 2012-07-21 | 暦