Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

デフォルメされた秀峰の数々

2017-05-28 | 文化一般
エミール・ノルデの美術展に出かけた。「グロテスクの数々」と題したヴィースバーデンでの展である。美術館に出かけるのは記憶する限り残念ながら2008年「クラナッハ」以来で十年ぶりかも知れない。今回出かけたのは、いつものように新聞に記事が載っていたからだが、その見出し写真の「マッターホルンが笑う」を見て、記事は兎も角、新たな関心が芽生えたからである。

その自費で製作して金銭収入にしようとしたという絵葉書シリーズから観た。1895年のアルプス登山から、一連のデフォルメされたヴァリスから東部アルプスまでの秀峰が描かれている。当然のことながら、後年のクレーへの影響などは無視できないまでも、同時にこの展のグロテスクと同時に次の時期に突き進むファンタジーの世界そして表現主義へとの繋がりが興味尽きない。

ファンタジー集として集められた黄色と黒の昔話シリーズなどは絵本などでも慣れ親しみのある挿絵のようなものだが、これも表現主義との関連だけでなく、その後の所謂ウェットインウェットという水彩画法つまり絵具を水で流すような方法と固着での作法との関連でも興味深い。

出展数絵画30展、その他80展で、朝一番に入場して待ち合わせの13時前までじっくり見て回り必要な写真も撮ったので、詳しくは改めて纏めたい。

折からの美術館工事で駐車などもう一つ不便に感じたが、朝一番では二三組の入場者しかなく、昼頃になっても無人の部屋で写真等も写せた。日曜日は込んで避けたいと思っていたが、この程度の入場者であればほとんど問題なかったであろう。

エミール・ノルデの作品は、バーデン・バーデンのフリーダー・ブルマ美術館にも常設展示されているということなので ― そこでは2013年の特別展に80展が紹介されて絵画数は多かったようだ、何れ訪問したいと思っているが、今回の展示会である程度その作風を一望できたと感じられた。その点今回は、寧ろ絵葉書など初公開の作品などに関心が向かった。因みにノルデ展がパリで最初に開かれたのは、2008年10月のごく最近のことだった。(続く



参照:
お手本としてのメディア 2008-01-20 | 雑感
情報巡廻で歴史化不覚 2008-10-27 | アウトドーア・環境
コメント
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