Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

問われる継続性の有無

2019-01-20 | 文化一般
森の中は寒かった。街道沿いでも霜が降りた。水溜りが凍っていてが、陽射しが強かったので何とかなった。それでも寒い。暫く怠けていたものだから直腸の辺りが調子悪く、解しているのだが、腰の不都合に繋がってきていて、ここで強制的に直してしまわないと疾患になる。あまりに冷えたところの下り坂を駆け下りるのは更に悪いが、何とか解れただろうか。湯船にでも浸かるべきかもしれない。

帰りの車中でいま日本で話題のウラルの楽団に唯一の古楽奏者として迎えられて、その交渉当事者となっているブロックフルートのマルティン・ザンドホーフが客として呼ばれて話していた。ソニーとの交渉なども上手く行ったことから移住して仕事をしているようだが、年齢もあっていつまで続くか分からないと話していた。ムジカアテルナの今回の日本公演の成否に係っているのではなかろうか、成功すれば金も入りロシア語が出来ないでも金をごっそりと稼げる。そもそも食えるかどうか分からないようなとこから始めたものだから、腹が満たされば用を満たすということだろう。

面白いのはこの人の経歴でケルンのコンツェルトムジークスに居たというからこれまた商売合奏団だ。アンティクスなどのイメージを上手に使って、実際に正式にゲーベルなどがケルンで教職を取ったのはのちのことというから、これまたケルンに集った連中の商売上手である。そこに同じように商売をしようとしたシュトッツガルトの放送管弦楽団が乗ったことになる。

しかし、氏の話しや今回の話題の扱い方はとても微妙で、楽師さん仲間でもカラヤン二世の指揮がショービズかどうかで大きな議論になっているとして、結局は金の力で靡くという印象を強く与えた。そしてここに来て日本公演となるので、盛んなソニーの広報活動が実るのかどうか?結局は世界中にあるクラッシックラディオとかの聴衆層がメインターゲットなので ― 所謂イージーリスニングの軽クラシックというジャンルである ―、そこがどれほどの反応をするかでしかない。しかしそれだけでは足りないので ― 特に権威がものをいう国民性の中では ―、ある程度影響力を持つオピニオンリーダーに裏金を渡してでも所謂核になる層に絶対的な支持を受けないことには継続しない。

まさしく継続可能かどうかがこのインタヴューにおける最大のポイントだった。やはりクレンツィスの活動の中心にいる者がどうも難しいと思っていて、これまでの成功にも驚いているということになる。昨年のツアーにおいてもサウンドチェックから三時間の練習を毎回やらなければいけなかったことから、まさしくブラック労働になっているようで、継続には更なる成功しかないという悪循環に陥っているようだ。嘗てならば成功から成功でメディアの録音録画での複製市場が膨らんで有効な経済というものが確立されて、皆がポルシェを買えるようなご身分になったわけだが、カラヤン以降そのようなビジネスモデルは再興されていない。カラヤン二世の才能に賭けたのだろうが、思ったほど市場が沸いていないという印象は今回の番組を聞いても免れない。

金が動くことは結構なことで誰もそれを嫌がる人などは居らず、大なり小なりお零れを与かろうとしている。但し今回の企画はそもそも人件費の節減をロシアで行って、国外で高めに売ろうという経済であり、働けば働くほど厳しくなってくる一方、そこまでの高値の商売は出来ない基本構造がある。精々ルツェルンでの公演などでスイスフランの力やそこでの金のキープを含めての興味からなっているのだろうが、本当にスイスに口座を作って出来れば移住というようなところまでの富となるのか。指揮者のカラヤン二世には興味ある話しかもしれないが、他のパルムの楽師さんには殆ど関係ないだろう。日本での反応が更に関連してシュトッツガルトでの今後にも影響するかもしれない。

それにしても、指揮者クレンティスを称して、そのオカルト的な特徴しか語れず、「学んだ者」にとってはその音楽の根拠も肯定不可な際物でしかないことを、その活動の中心にいる音楽家に語らせる今回の企画自体がその成り行きを十二分に予感させた。ソニー以外の誰も損をしないなら誰も文句は言わない。そう言えば、歌手のシェファーを仕事上アバドと奪い合ったとあったから、やはりこの人はフィクサーなのだと後ほど分かった。

今晩のメトからの中継が楽しみだ。ドビュシー作曲「ペレアスとメリザンド」はとても上演が難しいとの印象があるが、少なくとも新音楽監督ネゼサガンの指揮の演奏にはとても期待が大きい。暮れにフィラデルフィアからの放送で演奏されたショーソンもよかったが、「ローマの泉」もよかった。本当にこの人は、その男性女性趣味は分からないが、本当に趣味がよい。カラヤン二世に勝るとも劣らない才能があって、メディアも上手に使いながらのバランス感覚もなかなか優れている。



参照:
「軍隊は殺人者」の罪 2018-09-12 | 歴史・時事
GeliebtGehasst 2018-01-24 | マスメディア批評
尊重したい双方向情報 2018-05-29 | 文化一般
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