放送でベルリンのムジークフェストを聴いた。一部は無料のストリーミングなどあったようだが、やはりペトレンコ指揮のプログラムがその価値を上げていた。なによりもアルバン・ベルク作曲の協奏曲が取り分け素晴らしかった。楽器間の間隔を空けることでこの作品の楽器間の受け渡しが三次元的に変位するのが画期的だった。この作品は、放送や録音などで様々なものを聴いているスタンダードな協奏曲の一つだと思うが、その本質的な良さを実感できる演奏は知らない。この演奏は生で聴きに行くだけの価値はあったかなと思う。
最初は完売していたように見えたが、実際には当日も券が売りに出されていて、ネットでも見かけ更に会場前でも売りがあったようだ。750人が捌けないという事になる。計画では10月から1000人までの入場が許可されて、恐らく三分の一体制へと準備が整っているのだが、翌日の現地の放送が伝えるように徐々に信頼感を得ることで、慎重な人の気持ちを解くようにしなければいけないとなる。
よってベルリンのオペラ劇場連合が行うようなマスクをして半分とか満席とかというのは全く通じない。日本の呼び屋さんが言うように半分入場で三割となる。つまりマスク着用では半分も出ないと思われる。愈々そうした主催者への信頼感が失われて、そうした劇場や団体は今後の経営的な維持は難しくなると思う。
兎に角、舞台上での距離が縮まることは歓迎であるが、このような演奏によって、今までやっていたシェーンベルクの協奏曲やベルクのルル組曲の演奏がもう一段高度な演奏になることは確信した。支配人が既に反論していたように、開幕演奏会に接し一部に恐らくフランクフルターアルゲマイネのオッシー親仁を含めて、その演奏がバラバラに聴こえるという非難に対しては、これを聴いてみろとしか言えない。これでも否定的な感想を抱くとすればそれは楽曲を理解していないに過ぎない。
今回の演奏を聴いて、改めてミュンヘンでの「ルル」初日の演奏を思い出している。DVD化はされたのだが、なぜかあの制作にはそれほどの反響が無かった。その理由はよく分からなかったのだが、ベルクの「13楽器」とか一部の作品は矢張り難曲であり続けているのかとも思った。
それにしてもソロのツィムマーマンの演奏も良かったが、それに絡む弦楽ソロ奏者たちの絡みはもう他にはない高度なもので、一体誰が弾いているのかと思っていた。そしてトレイラーを見るとなんと辞めた筈のスタブラーヴァ―がコンツェルトマイスターで、コロナで半期引退を伸ばしたことが理解された。なんと幸運な登場だろう。そしてなんと誰かなと思っていたホルンは、ミュンヘンのデングラーではないか。
しかしまた難しいバルトークのソナタをアンコールで弾くとは。バッハかなとも思っていたがバッハの方が誤魔化しが効かないというのはある。中々この人はやることが賢いと思った。そしてこの演奏は、ユリア・フィッシャーなどでは到底叶わない。なぜこのヴァイオリニストの共演が多いかがよく分かる。ピアニストではここまで共演できる人はまだいないかもしれない。
参照:
ヴィーンとミュンヘンの差 2020-09-18 | 文化一般
フクシマ禍から蜂の巣へ 2019-09-16 | 文化一般
最初は完売していたように見えたが、実際には当日も券が売りに出されていて、ネットでも見かけ更に会場前でも売りがあったようだ。750人が捌けないという事になる。計画では10月から1000人までの入場が許可されて、恐らく三分の一体制へと準備が整っているのだが、翌日の現地の放送が伝えるように徐々に信頼感を得ることで、慎重な人の気持ちを解くようにしなければいけないとなる。
よってベルリンのオペラ劇場連合が行うようなマスクをして半分とか満席とかというのは全く通じない。日本の呼び屋さんが言うように半分入場で三割となる。つまりマスク着用では半分も出ないと思われる。愈々そうした主催者への信頼感が失われて、そうした劇場や団体は今後の経営的な維持は難しくなると思う。
兎に角、舞台上での距離が縮まることは歓迎であるが、このような演奏によって、今までやっていたシェーンベルクの協奏曲やベルクのルル組曲の演奏がもう一段高度な演奏になることは確信した。支配人が既に反論していたように、開幕演奏会に接し一部に恐らくフランクフルターアルゲマイネのオッシー親仁を含めて、その演奏がバラバラに聴こえるという非難に対しては、これを聴いてみろとしか言えない。これでも否定的な感想を抱くとすればそれは楽曲を理解していないに過ぎない。
今回の演奏を聴いて、改めてミュンヘンでの「ルル」初日の演奏を思い出している。DVD化はされたのだが、なぜかあの制作にはそれほどの反響が無かった。その理由はよく分からなかったのだが、ベルクの「13楽器」とか一部の作品は矢張り難曲であり続けているのかとも思った。
それにしてもソロのツィムマーマンの演奏も良かったが、それに絡む弦楽ソロ奏者たちの絡みはもう他にはない高度なもので、一体誰が弾いているのかと思っていた。そしてトレイラーを見るとなんと辞めた筈のスタブラーヴァ―がコンツェルトマイスターで、コロナで半期引退を伸ばしたことが理解された。なんと幸運な登場だろう。そしてなんと誰かなと思っていたホルンは、ミュンヘンのデングラーではないか。
しかしまた難しいバルトークのソナタをアンコールで弾くとは。バッハかなとも思っていたがバッハの方が誤魔化しが効かないというのはある。中々この人はやることが賢いと思った。そしてこの演奏は、ユリア・フィッシャーなどでは到底叶わない。なぜこのヴァイオリニストの共演が多いかがよく分かる。ピアニストではここまで共演できる人はまだいないかもしれない。
参照:
ヴィーンとミュンヘンの差 2020-09-18 | 文化一般
フクシマ禍から蜂の巣へ 2019-09-16 | 文化一般