土曜日の第一回ARDオペラ中継は素晴らしい船出だった。ある程度の予想は立てていたのだろうが、ここまでの中継録音になるとは企画者も考えていなかっただろう。今迄ラディオで様々なラディオ中継を聴いてきて、そしてエアーチェックと称して、今でも手元に沢山のカセットテープがある。しかし何回も繰り返してリフェレンス録音となるようなものは殆どない。音質の問題もあるのだが、映像がないので聴いていられないというのも少なくない。また映像は面倒だから殆ど観ない。
だから先日購入した「マスカラーデ」も音だけ出してその演奏内容を確認することになる。流石に舞台を二度も観ているので、視覚は記憶で補える。そしてその音が修正も加えて近接マイクで捉えていることから、本当に素晴らしい愉楽でさえある。そしてエンゲル指揮がいい仕事をしていることを確認して大満足なのである。
その意味から今回の放送の復活祭の中継録音も三回の訪問でその視覚で補えるだけでなくて、どの夜にどこがどのようにというのは朧気乍ら記憶されている。だから余計に今回のマイクによる収録が成功していることがよく分かった。逆に知り過ぎていて、又楽譜でチェックはしていないので判断が付きかねるが、今回の録音は修正はされているものの劇場実況録音としては金字塔の出来となっている。
ホールの音響もくまなく捉えられていて、もう少し容量が大きければ世界最高の音響になっていただろう、それが録音から再体験可能となっている。この音響は横長扇型のザルツブルクでは不可能なので、記録に捉えられたことになる。
そして番組では、この新たな番組企画の紹介に続いて、イゾルデ役などと違い長く歌っていたエレクトラ役を最後に歌う主役のニナ・シュテムメに初日の翌日インタヴューをしている。その前にまさしく彼女の頂点の歌声であった初日のモノローグを特別に流した。これで、この中継録音も制作録画の音声もこの初日を中心に編集されることが確証された。つまり予定通り3月26日二回目公演は映像の為の晩だった。音楽的には一番弱かったが、最終日31日に最終修正されることで素材が揃った。
初日のフィナーレの拍手までが其の儘で、部分的に修正されていたのだろうが、詳しくは調べてみないと分からない。他の歌手の出来の凸凹の修正があるのもそれ故だが、全体的に画期的な映像制作になる。
これだけ感動させる中継録音を聴くのは初めてで、フィナーレなどはその時と同じぐらいに興奮する。更に適当に編集されているので、弱いところが無く一気に最後まで引き付けられた。この映像制作は、リヒャルト・シュトラウスの楽劇のそれを越えて、史上最強のものになりそうで、一夜を潰して丁寧に撮ったライヴヴィデオがどのように繋げられるかを期待したい。
昨年の「影のない女」の様にその舞台を含めての大成果ではなかったが、今回のそれは聴覚だけでも視覚だけでもとんでもなく素晴らしい制作となった。こうしたものが、ヴィーンでの演奏会キャンセルに関して書いたが、決して商業主義的な目的で制作されるものではないという事に改めて注意を喚起したい。
参照:
究極の表現主義芸術実践 2024-03-24 | 音
聖金曜日からの不信感 2024-03-31 | 暦
だから先日購入した「マスカラーデ」も音だけ出してその演奏内容を確認することになる。流石に舞台を二度も観ているので、視覚は記憶で補える。そしてその音が修正も加えて近接マイクで捉えていることから、本当に素晴らしい愉楽でさえある。そしてエンゲル指揮がいい仕事をしていることを確認して大満足なのである。
その意味から今回の放送の復活祭の中継録音も三回の訪問でその視覚で補えるだけでなくて、どの夜にどこがどのようにというのは朧気乍ら記憶されている。だから余計に今回のマイクによる収録が成功していることがよく分かった。逆に知り過ぎていて、又楽譜でチェックはしていないので判断が付きかねるが、今回の録音は修正はされているものの劇場実況録音としては金字塔の出来となっている。
ホールの音響もくまなく捉えられていて、もう少し容量が大きければ世界最高の音響になっていただろう、それが録音から再体験可能となっている。この音響は横長扇型のザルツブルクでは不可能なので、記録に捉えられたことになる。
そして番組では、この新たな番組企画の紹介に続いて、イゾルデ役などと違い長く歌っていたエレクトラ役を最後に歌う主役のニナ・シュテムメに初日の翌日インタヴューをしている。その前にまさしく彼女の頂点の歌声であった初日のモノローグを特別に流した。これで、この中継録音も制作録画の音声もこの初日を中心に編集されることが確証された。つまり予定通り3月26日二回目公演は映像の為の晩だった。音楽的には一番弱かったが、最終日31日に最終修正されることで素材が揃った。
初日のフィナーレの拍手までが其の儘で、部分的に修正されていたのだろうが、詳しくは調べてみないと分からない。他の歌手の出来の凸凹の修正があるのもそれ故だが、全体的に画期的な映像制作になる。
これだけ感動させる中継録音を聴くのは初めてで、フィナーレなどはその時と同じぐらいに興奮する。更に適当に編集されているので、弱いところが無く一気に最後まで引き付けられた。この映像制作は、リヒャルト・シュトラウスの楽劇のそれを越えて、史上最強のものになりそうで、一夜を潰して丁寧に撮ったライヴヴィデオがどのように繋げられるかを期待したい。
昨年の「影のない女」の様にその舞台を含めての大成果ではなかったが、今回のそれは聴覚だけでも視覚だけでもとんでもなく素晴らしい制作となった。こうしたものが、ヴィーンでの演奏会キャンセルに関して書いたが、決して商業主義的な目的で制作されるものではないという事に改めて注意を喚起したい。
参照:
究極の表現主義芸術実践 2024-03-24 | 音
聖金曜日からの不信感 2024-03-31 | 暦