Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

脱いだ下駄箱の靴がない

2008-11-13 | 雑感
久しぶりに夢を見た。浅い眠りの機会があったからだが、靴が主題になっている。ここ数日風邪気味であった事から当然の悪夢である。

最初の場面は、日本の大きな駅のプラットホームである。なぜか、待っているのはお座敷列車というおかしな特別列車で、二階建ての上は靴を脱いで上がらなければいけない。見ると一部二等は期待に反して対面座席でただ仕切りがついているだけなのだが、椅子に座る訳でなく対面で肘置きなどが四つ添えられているのだ。しかし、清潔なうちはまだ良いとしておばさま達の団体さんが乗った後の汚れ方は掃除が行き届かないようで非合理的とみた。

流石にそこには座らずに一等のサローンへと足を進めると、二部屋に分かれていて次の間は小さい。丁度そば屋の上がり座敷が四つほど並べてある感じだ。しかし襖の向こうは床の間がついていて、炉が掘ってあってお茶会が催せるようになっている。あの火は大丈夫かなどと列車トンネル火災が危ぶまれる。日本の狭い線路を走る乗り心地の悪い二階建ての上ではどのようにお手前をするのか大変気になった。

そうこうしている内に山奥の禅寺へと向い、またそこで靴を脱がさせられる。もうこのあたりになると徐々に靴を脱がされられる事に恐怖心が伴っているのに気がつく。先ずは下駄箱に他の靴と一緒に入れてなくならないか、再び見つける事が出来るかと心配でもある。

そして、内履きを履いて移動するのだが、周りは雪である。そして縁を更に行くと崖に屋根の雪崩止めのような十センチにも見たない柵が張られて、岩肌に雪が乗る中を道筋を示しているのである。いよいよ登山である。内履きしか履いていない足は、たとえ覚えがあると言ってもツルツルと滑りどうしても上半身に頼らなければいけないのだ。

だから途中から引き返して来て濡れた衣服を乾かしながら、履き替えた自分の靴を探すのだがなかなか見つからない。そのような事をしている内にやはり招待主が雪に足を滑らして滑落すると言う恐怖の中で目が覚めるのであった。十一月は死の月である。



参照:
茶緑から青白への相違 [ 生活 ] / 2008-01-01
新調パジャマの裾直し [ 生活 ] / 2007-11-23
呵責・容赦無い保守主義 [ 文学・思想 ] / 2007-11-19
脅迫観念一杯の列車旅 [ 雑感 ] / 2007-11-17
吹雪から冷気への三十年 [ 暦 ] / 2007-11-11
光を背にした紫色の唇 [ 雑感 ] / 2007-03-06
そのもののために輝く [ 生活 ] / 2006-11-13
美しい国は何処に? [ 雑感 ] / 2006-10-01
王女とカエル王子 [ マスメディア批評 ] / 2006-07-08
力を籠めて足掻く [ 雑感 ] / 2006-02-13
凍て付く散歩の夢の抄 [ 生活 ] / 2006-01-27
コン・リピエーノの世界観 [ 音 ] / 2005-12-15
悪夢の特命潜入員 [ 雑感 ] / 2005-09-01
固いものと柔らかいもの [ 文学・思想 ] / 2005-07-27
マルティン・ルターのグロテスク [ 文学・思想 ] / 2005-03-03
微睡の楽園の響き [ 文学・思想 ] / 2005-02-22

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2 コメント

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狐につままれたよう (助六)
2008-11-13 10:34:49
とても不思議です。

私もなぜかお座敷列車に乗せられてる夢をこちらで見たことがあるのです。如実に思い出しました。
一角に日本の婆さんたちのグループがいました。

舞台はスイスかオーストリアみたいな欧州で外はやはり雪景色、ただいつの間にか自転車が一台積まれてる列車内の貨物スペースみたいな冷たい空間にひとり追いやられているのです。その続きは覚えてませんがとにかく悪夢だった。

そして最後はなぜか、雪深い立石寺の階段(これは学生時代に思い出があるんですが)を昇れず困っているのです。
この部分もpfaelzerweinさんの夢と似てるんですよね。私の場合は「靴を脱がされる」というモチーフは皆無でしたが。

実に不思議な気分ですので、酒飲んで寝ます。
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お座敷列車ってなんでしょう (pfaelzerwein)
2008-11-13 11:09:56
お座敷列車ってなんでしょうね。靴は性的な象徴として解釈出来るのですが、それを脱いで置いておくというのは、我々の普段の生活からすれば特別な事なんですね。

ケーラー大統領がもしくは子ブッシュ大統領が日本旅行で靴を脱ぐ場面があるとやはり恰好な写真素材ですよね。アルプスの山小屋はそれに近い状況はあるのですが。

しかし、「靴を脱がされる」というモチーフは皆無でお座敷列車となるとなんでしょう。本当にそうしたものがあるのかどうか聞いた覚えはありません。冷たい空間のそれはお座敷と対照的でしょう。列車が時間的な経過を象徴しているとすると?

先ずは、そろそろ寒くなってきたということで足元も整えて、風邪などひかないように注意いたしましょう。今年は雪が降りそうです。
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