Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

発動技術的連鎖反応

2008-12-06 | 歴史・時事
GMが年内に支払不能になれば、連鎖的にオペルやサーブも倒産する。オペルの従業員数は、ドイツ国内では二万六千人とそれほど多くはないが、部品メーカーなどの下請けを入れるとやはり裾野は広い。

オペルだけを救済しようとして、民間がそこに貸付する事はGMが負債を出しているので不可能となると、GMが救済されないかぎりオペルはその歴史を閉じる。同様のGMの子会社であるスウエーデンのサーブも切り離して存続する事は不可能である。だからスウェーデン政府の救済はありえない。

サーブが三十年前に子会社となってからはGMの世界戦略の中で、シャーシからなにからフルクスヴァーゲングループのようにオペルと共同で開発生産して来た事から、アウトバーンでも走っていた小型飛行機のようなコックピットを持った速いサーブは1990年代の中盤には消えた。

その後、オペル・サーブなどは特に興味を持って購入される事はなかった。一度運転させて貰ったが、ベクトラやアストラと比べて良かったとか悪かったとかの話であった。国際戦略によって製造コストが下がったならもう少し品質と価格のバランスが取れて売れる商品が出来ただろう。

欧州の自動車大国ドイツにおいても大変見通しは厳しく、今年度は悪かった昨年比で一割減の新車登録数が予想されていて、相応の操業短縮が盛り込まれている。米国のビックスリーとの相違は、環境に対応した開発力であると言われているが、今後部品メーカーなどは財政縮小と同時に開発への圧力が高まると言う。

要するにハイブリットではトヨタに先行されたドイツ自動車工業であるが、その先進性のある開発技術力は日本のそれを上回っていて自動車の画期的転換が予定されている。

今年の夏の燃料高は嘗てないほど異常であったが、次ぎの車はハイブリット車かと思い気や、ドイツの自動車業界は脱石油燃料を準備しているという。なるほど既に15年ほどに渡って一般路上で水素自動車などが試験されてきたが、そのノウハウの積み重ねが大量生産への技術的基礎を築いたというのだろう。

その技術的成果に関してはダイムラー社などの手元に積んである技術報告書に目を通して見なければいけない。何年ぐらいで本格的に実用化されるのだろうか?

次に購入する車は、タンクに水を入れるだけで走るのだろうか?兎に角、つい先日までSUVなど多くの燃料を消費して環境を害していた車を盛んに売っていたような会社に援助の手を差し伸べても、最終的には潰れるに違いない。

11月に18%も急激に落ちたドイツでの新車登録数から。メルセデスCクラスの新中古車を三割五部引きで発売しているようだが、一万人の期間労働者が解雇され、76万人が操業短縮の影響を受けていると、格安商品でも買うものすらいない。

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