Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

価格に注目して貰いたい

2013-10-16 | ワイン
今までで最も高価なドイツワインを注文した。先月の最も高価なグランクリュリースリング、フォルスターキルヘンシュトュックに続いて最高額を更新した。ブラウワーシュペートブルグンダー要するにブルゴーニュのピノノワールである。生産者はお馴染みのゼーガー醸造所である。一本120ユーロを六本発注した。残念ながら自分の分ではない。それでも発注したのはその価格だけのことは期待できるからである。

なるほど一本120ユーロのピノノワールは、価格としてはブルゴーニュの超一流のグランクリュの価格である。ドイツでは法律上はただのクヴァリテーヴァインベシュティムターアンバウゲビートつまりQbAであるからミットプレディカートにもQmPにも至らないワインである。それどころかVDPのグローセスゲヴェックスでもないのである。

高級ピノノワールの格付けが十分ではなかった悪法の弊害ともいえるが、それ以上に嘗ては赤ワインではラインガウ流のシュペートブルグンダーが歴史的な重みを以て、それ以外にはスレート土壌のアールや南バーデンのシュペートブルグンダーが特産物となっていた。そして気候温暖化が叫ばれるようになるとどんどんとピノノワールに力を入れる醸造所が増えて、その結果が2003年の偉大な赤ワインの年に成果したのであった。

その後の2005年を頂点に、容易な年度2009年などで、ふるいが掛けれれるようになって、国際競争力のあるつまりブルゴーニュとも対抗できるようなものが出来る醸造所しか残らないようになったのである。その他は元の木阿弥で、赤ワインを止める醸造所もあり、あるいは従来通りのシュペートブルグンダーを醸造するという棲み分けがはっきりしてきたのである。そこで今回発注した2009年のピノノワールは、三重リザーヴのRRRと呼ばれる商品で、良年であるだけに誰にでも喜ばれる赤ワインである。

さて、一本120ユーロをどう見るか?この価格以上で醸造所で直接買えるかどうかが問題である。ブルゴーニュであろうが、ボルドーであろうが中間業者であるネゴシアン組織がそこに入るからこそそうした高価格が維持されている訳で、そうした価格帯で直接買えるフランスワインは限られてくる。それに比べるとドイツの戦後はそうした世界の組織から解放されているので、価格も低く抑えられた反面高価なワインはあまり市場に出なくなってしまった。

つまり、ドイツの超高級ワインは今でも比較的安いのは確かである。しかしである誰がこれほど高価なワインを購入するかには大いに疑問が残る。30ユーロのものと比べて120ユーが特別旨い訳ではない、かと言って特にこの2009年物が特別気難しかったり分かり難い訳ではない。その差異は比較して初めて吟味できるようなもので、それだけを飲んでみても価格の評価などできる訳がないのである ― 勿論今回の商品の重ねられたRが示すように高価なものにはそれなりの長い賞味期間があるが、2009年はブルゴーニュにおいてもどうだろうか。要するにシナの富豪のように名前で美味いものと思って高価なワインを買い漁るしかないのである。

高級ワインが吟味できるようになるのは余程飲みつけなければいけないので、そもそも値踏みなどはプロフェッショナルな世界なのである。今回は手元を通り過ぎて北ドイツへと直送されることになる。その価値などは分かる訳がないのだが、少なくとも価格表を見て、ドイツの赤ワインがブルゴーニュの超一流と同等の価格をつけていることを確認して貰えばよいだけなのである。しっかりとエアーリングして飲めば不味い訳がなく、大満足することは間違いない。しかし、その価格に注目して貰いたいのである。



参照:
クローンはピノノワール 2013-06-23 | 試飲百景
週の始まりの肌寒さ 2013-09-17 | 生活
ブルゴーニュ吟味への投資 2013-10-05 | ワイン
悪くないNuits-Saint-Georges 2013-10-10 | ワイン
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冬模様の朝は寒い

2013-10-15 | ワイン
ティロルを中心に先週末の冬の襲撃でアルプス一帯は冬模様になったようだ ー 50CMの積雪には驚かされたようだ。ワイン街道も雨勝ちで冴えない日々が続いている。暖房を入れるかどうかかフンギレ無いが洗濯物の関係で入れる必要も出てくるだろうか?

肌寒いので強いワインを開ける。失望を通り越してとんでもなく寂寥感のある醸造所バッサーマンヨルダンの棚卸が続いている。懲りもせずに買い続けたものだ。今回の生贄は2010年産のホーヘンモルゲンである。あの一等区画にありながらなんだ!

2010年であるから酸がようやく丸くなってきていて飲み頃として判断した。実際に若干の角はありながらもこなれてきていた。こうなると味筋はやや残糖感には至らないまでもふにゃふにゃした趣である。要するに糖を多めに残して酸とのバランスを取ったということなのだろうが、明らかに減酸工程の跡が感じられる。要するにこの醸造所らしい酸の量感はあってもこの時点で丸くなってしまっていて面白くないのである。

地所に石灰が混じっているだけでリースリングは偉大にはならないが、雑な石灰処理をしてしまうと折角の何十年ぶりの酸の偉大さが全て相殺されてしまうのである。このようなグローセスゲヴェックスならばなにもこの醸造所でなくても造れるのだ。それでも価格は一流なのだ。土壌も葡萄もそれほど悪くないだけにとても残念なことで、その残念さは同じオーナーの土壌改良の必要なフォン・ヴィニンゲンなどのリースリングとは異なるところである。

それにしても雨が続く。そして寒い。月曜も走ることが出来なかった。僅かな陽射しの間に体を動かすと、気温が低い分疲れる。目の下の隈が広がって、とても疲れを感じている。あれほど夏の間に陽射しを浴びたのだが、精気が失せる。まるで死の十一月のようだ。



参照:
素晴らしいノーマルルート 2013-10-14 | アウトドーア・環境
現場を掴んだ証拠写真 2013-10-13 | ワイン
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素晴らしいノーマルルート

2013-10-14 | アウトドーア・環境
日曜日には土曜日には無かった太陽が出た。午前中は摂氏一ケタ台の予定だったので午後から出かけた。何時もは待ちで並ばなければいけないルートをやるために再びホッホシュタインに出かけた。相棒に登らさせたいルートを登ることで、私自身もここの下の難易度は殆ど登りつくすことになる。

特にグラウエヴァンドと言うルートは、技術難易度5.5程度ながら三ツ星がついている推奨ルートである。私自身もここをリードした覚えがないので全く覚えていない。改めて登っておかないと、今後人に登らすことも難しくなる。先ずは湿り気などを試すために最初の確保地点までは私が登った。相棒はなんだかんだと言って横の5.10を登りたがったが、恐らく怖気づいてきたからであろう。

いよいよ相棒が登る番である。割れ目を登って行くので、中間支点は十分に楔で取れるのだが、手掛かりは丸く割れ目の中に手掛かりを求めるか、確り立つしかないので相棒には必ずしも容易ではなかった筈である。少なくとも一カ所中間支点に手を掛けて登っていたようだが、ルートファインディングも含めて孤独に登り終えた。彼が今までリードした最も難しく長いピッチであったろう。

その後に、次の5.10の目標を撮影したりして、南プファルツで最も素晴らしい難易度5.4のノーマルルートを登った。下部は苔這えた様でその緑の間の足場を拾って登って行くだけである ― それにしても下部の湿りは何時も尋常ではなく、殆んど滑のように納豆の如く水分が糸を引く。途中リングボルトを見てそちらに向かおうとしたが、幾ら登れても最終的には5.11になるルートなので引き返した。肝心のハング気味の壁に差しかかるころにはロープの摩擦で引かれて重かったので、何とか中間支点を取ってとりついた。ロープは重かったものの流石に難易度が低いので登りきれた。

しかし頂上へは大股開きで突っ張らなければいけないのだが、左右の壁まで足が伸びないのだ。前回の時よりも足が伸びている訳でなく、その一本目のアンカーにも届かないので、仕方なくハーケン無しで確保点を作った。

相棒が登ってきて、更にそこを登らせようとしたが、大きな男でも足が開かないので登れずに試していると夕暮れが迫ってきた。前回は強引に登ったのだが、もはや時間が無いので、そのアンカーにロープを掛けさせて、急いで暗闇の中を懸垂下降した。撤退である。途中で足場を作って、更にもう一度懸垂下降した。アルプスでの登攀はどのようなものであるかと言うような撤退練習である。暗闇の中でラムプを点けて車まで帰ってきた。次は是非頂上まで一気に登る手立てを整えて登ろう。相棒がやったように延長カラビナでアンカーにロープを掛けて、長いシュリンゲを使って岩角に中間支点をロープの流れを邪魔しないように設置しよう。



参照:
知的スポーツへの触り 2013-06-26 | アウトドーア・環境
ある程度熟せるように 2013-09-29 | アウトドーア・環境
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現場を掴んだ証拠写真

2013-10-13 | ワイン
証拠を掴んだ。個人の感想や事前の写真だけでは話にならないので現場を押さえたのである。既に一月前ほどから気が付いていた。フォンバッサーマンヨルダンのプリュミエクリュなどの領域で摘み取り機のための仕付けがされていたことは確認して写真撮影していた。まさかその現場を押さえられるとは思っても居なかった。如何に頻繁に使っているかと言うことである。それも今年からグランクリュが出たウンゲホイヤーの一区画だった。

FAZ等で「もはや手摘みでないと高級ワインにはならない」と答えていたのはハウク社長だったが、それから数年も経っていない。当然のことながら機械摘みでグランクリュの葡萄を収穫しているのではないだろう。それならばラーゲンヴァインのウンゲホイヤーか?その下は?

少なくとも2012年まではオルツヴァインは出して居らず、その下にグーツリースリングしかない。しかしグ-ツリースリングにウンゲホイヤーが入っているなど聞いたこともない。それどころかその下は近所から購入したブドウで造っている所謂アッブフューラーものではないか。

ハウク社長の見解のように機械摘みではまともなワインが出来ないのは当然で、手間を掛けていれば特に今年のように腐りが入りかけた状態での機械摘みででは、あとで選別してもその質はガタ落ちとなる。ストレスで葡萄は痛み、枝やその他の全ては一緒にぐちゃぐちゃに摘み取られる。

宜しい。そのような葡萄で培養酵母と様々なケミカルである程度口当たりの良いワインは出来るに違いない。それどころか少しの苦味ぐらいならば上手に誤魔化せる。しかし、高級リースリングとしてそのようなものが高価に売られるならば、我々が告発しなければいけないのである。こうした昔の名前で出ている商品であるからこそ、ドイツのワインの品位を落とすだけなのである。これは許せない。



参照:
一杯引っ掛け風邪予防 2013-09-13 | 試飲百景
ドイツ最高価格地所のワイン 2013-09-07 | ワイン
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火の酒ブックコーナーの道

2013-10-12 | アウトドーア・環境
水曜日にシュナップスヴェークを登った。嘗て別な記事で核心部の写真を使ったルートである。都合登るのは二度目であるが、一度しっかりとリードしてみたいと初夏からリスト入りしていた。技術難易度からすると完璧に熟さないと満足いかないのだが、今までは岩の状態や待ちが出ていたので試せなかったのである。そこで前者の状態は無視して、誰も居ない雨上がりの水曜日に試したのである。

流石に渇きは悪く、岸壁全体裾は湿っていて色も変わっている、特に苔蒸した場所はつるつるである。それでも良く伸びられているルートだけあって砂岩のがさがさが剥き出しになっていて十分な摩擦は効いている。

このルートの特徴は美しい凹角のを登り切るところにあって、最後の抜け口が核心部となっている。所謂絵にが書いたようなブックコーナーもしくはディェドルと呼ばれるものである。前回登った印象では適当に右に回避するのが難しかったことぐらいである。既に5年ほど前の事であり、当時は殆ど体が出来ておらず、昔の杵柄だけで登っていたのであった。だから完璧に熟すことを自分自身に課していたのだが、実際に梃子摺ったのは、最上部の核心部前にしかないリングボルト以外の、容易である筈の中間確保地点の設置であった。特に下部は状態が悪いので通常以上に重要でそれだけ時間を掛けた。そしてちょうど中間ぐらいでしっかりした砂時計に、先日購入したケブラーのシュリンゲを押し込んだ。あまりにしっかりしているので、一回りすることが無く、延長して伸ばす必要が生じたが、一発で通せるのはケブラーの硬直性にお蔭だった。120cm長が欲しくなるところである。

それからリング前のポデストに立ち上がり本格的にピアッツァ流でリングに手が伸びるまでの一歩までは全く技術的に問題とはならなかったのだが、中間支点の楔の設置は不可欠であった。そのようなことでそこまで可成り時間を掛けて登り、いよいよの核心部である。前回の印象ではそのリングから右へ抜けるように登ったのだが、そこは緑色の岩肌で良い足場が見つからない。そこで更にコーナーの割れ目を使って登ることにした。だが肝心の割れ目の中が湿っていて手が馴染まないのである。そしてその上部のとっかかりに指を嵌めないと下方向には荷重が出来ない。そこで初めて上部のバンドの角に手が届くのだ。

試行錯誤の結果、割れ目上部にもう一つ楔を噛まして、被ったバンド状の横に太く走った割れ目に立ち上がってみることにした。勿論立ち上がれなくてひっくり返ると再び頭から転落することになる。一メートル上には割れ目の続きの手掛かりが見えるのだが、立ち上がってそこまで手が届くかどうか。先ずはバンドに手を掛けて上部を調べ、次に肘を掛け体を腰まで持ち上げる所謂マントルシェルフと呼ばれるものでマントルピースの棚に登るのと似ている。但しここでは下が中空になっていないので容易なのだが、立ち上がる動作は上が被っているだけに難しい。

そして左足を先ずは今まで手掛かりとしていた割れ目の突起に掛けて、その間に右足をバンドまで持ち上げ、そこから今度は左足を左方後方にあるバンドの反対側へと乗せるのである。この動作が最も重心が外向くところで下で確保していた相棒は冷や冷やしたようである ― なにせ今年は石切り場で頭から落ちて逆摺りになったことがあるのだ。。

そうして立てたのは良いが、上部が被っているのでエビ澱状態で良くない。もはや左へと足を進めるしかないが、手掛かりが良くなく、右方向へと牽きながら、右足を大きめの手掛かりに乗せるぐらいしかなかった。そして体重を右へと移動して何とか湿った丸い岩角に立ち、もう一つ中間支点を設置して抜けた。

後程懸垂下降しながら観察すると、立ち上がった引き続きの割れ目の手掛かりにもう一つ中間支点の楔を噛ますことで更に上部へとコーナーを登ることが可能なことが分かった。しかし、明らかにこのルートに与えられて難易度は優に超えそうである。今後の楽しみにしたい。あれだけ美しいコーナーを最後の最後に本当のオヴァーハングのマントルで越えられたらどれだけ素晴らしいことだろう!

その後、5.10越えのルートをトップロープで試したが、条件も悪く更に核心部の拳での楔が決まらずに敗退した。如何に湿っていて条件は悪かったかと言うことなのだが、それはそれなりに熟せる実力もついてきたことを実感している。最終的な目標であるアルプスの大岩壁での5.10の登攀のためにはこうした条件でどんどん登って行く経験が役に立ちそうである。嘗ては日本の岩場の悪さが話題になり、乾いた素晴らしいところでの技術的な向上を夢見た訳だが、その次には再びこうした条件の悪さでの熟し方へと戻ってきている。日本の登山家がアルプスでもある程度の成果を上げたのは必ずしも神風の特攻隊精神だけではないのは当然なことなのである。

言い換えると、技術難易度限界域から半スカラーほど落としたところで持続して登れる技術の習得である。今回のそれは中間支点の設置に時間を掛けたが、あとで足が疲れたことは気がついても登るストレスなどはほとんど感じなかった。それを更に進めると、大きな標高差を持続して登る実力となるのではあるが、これがなかなか難しくそれがビックウォールを登る実力となる。



参照:
筋力よりも脳を鍛えろ 2013-09-06 | アウトドーア・環境
ボルダーの素晴らしい環境 2013-10-07 | アウトドーア・環境
ケブラーでしゃっきっと 2013-10-01 | アウトドーア・環境
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間違った国策と呼ばれるもの

2013-10-11 | 文化一般
パトリス・シェローの訃報が目に入った。書かなければいけないことが様々あり過ぎる。とても時間がなくて纏めることが出来ない。取り掛かる余裕すらない。それは様々なことが深く関連しているからである。

先日の国連での温暖化対策会議の結果などもEUの政治方針とも深く関わっており、特に航空機の発着規制で航空業界と対峙する形となっている。欧州内だけで厳しい排出取引が行われると、たちまちに欧州の航空機グループは国際競争力を失う。しかし、そもそも学術的な根拠の薄い排出規制で世界の隅々までを教育する優位性は無かったのだから、多くの分野で文明を指導していく立場の欧州のやり方が全てうまくいくとは限らない良い例である。

その一方で、皮相なことながら、エアバスが、ボーイングと米国が政治経済的に支配する日本の国策で存続する飛行機会社から発注となったことは大きく取り上げられた。ジャムボ無きボーイングのエアーライナーは三菱などの日本との共同制作でありその一角を崩してA380を31機も特注させるに至ったことはとても象徴的なことである。お蔭でユーロヘリコプターや様々な軍事部門で経済的に逆風にあるEADSの株価が市場で安定する効果をエアバスが齎しているということである。まだまだボーイング株に比較すると安いので倍以上の上昇は期待される。

それにしても不思議なことは、EUの政策では排出規制と原発推進が並行することは無いのだが、何故か亜細亜太平洋地域ではそれが同一線上で語られたような1990年度以降の原発推進の波である。当時は今ほどにネット情報が無かったので個人的には全く今でも関知していない幻の日本の失われた時代となっているのだが、ウエスティングハウス社などの買収や日立東芝の方針などが、政治的な政策の中でどのように進められたのかとても興味ある、一体なにがあの当時亜細亜太平洋地域で行われたのか?

山本太郎参議院議員が秘密保全法成立への警鐘を鳴らして全国行者している様子がIWJで伝えられている。なるほど本人が言うように「このような人物が国会議員で活躍しなければいけないのは世の終わり」なのかもしれないが、そのレトリックや演説の具体性は今までになかった本物の政治演説である。殆どアンゲラ・メルケルのそれを彷彿させる言葉の使いかたやレトリックである。一部では「学の無い無教養者」による政治のお茶の間ニュース化のように評されたが、どの程度の俳優かは知らないが少なくとも欧州では俳優と言う職業はその訓練や教育から芸術家として立派な文化人である。それがまざまざと彼のレトリックに表れている。

兎に角、日本の文化学術的な程度はとてもではないが低い。一つにはその基礎となる科学の体系が無かったことで、そこにマルキズムが導入されて初めて体系を持ち得たとするのが丸山真男の見解であった。正しく山本太郎評価にもそのような背景が色濃く出ているだけでなく、通常の頭脳での思考においての判断に直接問いかけることのない日本社会での合理的議論の欠如が山本太郎批判の基礎となっている。ああした議論の明白化とレトリックこそが本当のディベートの基礎であり、民主主義の基礎となる政治的発言なのである。日本人の学術経験者の多くは未だにそれを学んでいない。だから原発推進などが未だに囁かれ、とんでもなく間違った国策と言う間違った前提で語られ続けているのである。

アベノミクスの結果スタグレーションに至るという話題をちらほら見かけるようになった。既に連邦共和国では、労働賃金が伸びずに物価上昇率だけが上がるという危機感が紙面を飾っている。労働賃金ではポルシェぐらいでしか上がらないということで、高級な特別な労働作業にしかそれ相応の賃金が支払われなくて、大量消費品は安い賃金を求めて安い賃金の労働市場へと生産が移行されるのは当然である。もはやメルセデスにおいてもメードインジャーマニーは定められたシリーズにしかない。日本製品ではほぼ労働賃金の上昇を許すような製品は殆どないに等しい。これも文化である。オリムピック誘致の嘘公約が、フクシマ問題を再び世界の関心事としてしまったお蔭で、安倍政権の苦境が報道されているが、最終的には経済問題で大きな転換局面に至るのだろう。市場に左右される政策であるから予想以上に瞬時に転換局面が表れる。



参照:
今は昔の歴史と共に死す 2010-03-22 | 雑感
順調に巡航するEADS 2013-09-21 | 生活
全日空不時着のフラッキング 2013-01-17 | テクニック
現代の音環境への認知力 2012-03-10 | 音
緑のシンプルライフ推奨 2007-03-04 | 女
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悪くないNuits-Saint-Georges

2013-10-10 | ワイン
ブルゴーニュのワインについて書いておこう。ニュイ=サン=ジョルジュの2010年物である。結論からするとこのレヴェルは、ドイツでは毎年は出来ない。金額22ユーロの問題でなくて、この微妙な熟成感は難しいかもしれない。しかし、出来る年度は、25ユーロほど出せば同程度のピノノワールは入手できる。

ミネラルの出方は十分に明白で魅力的ではなかったが、その果実風味は見事であった。恐らく同地の土壌は重めで、比較的低地プファルツに似ているのだろう。例えば同じ価格帯のクリストマン醸造所のオェールベルクと比較すると果実風味の程度は似ているが、そのミネラルは明らかな石灰であり、ゼーガーのそれと比較するとより石に近いものである。前者とはその果実の質で、後者とはミネラルの質で異なる。

但し2010年と言うことで限れば、最初の当りのそれに酸味が出ていて、これに関しては先日試したシャンボール=ミュジニーの村名ものと同じであるが、流石にこれば自己の葡萄を使った醸造所のもので所謂ネゴシアン物のあれとは全く異なった。何が異なるかと言えば当然のことながら葡萄の質で、酸はあっても熟成している葡萄なのでどんどんと果実風味が膨らんでいって干しバナナの風味と言う今まであまり知らなかったワインの果実風味に至るのである - この間にデカンターした。その価格差は、数ユーロにもならないで、ネゴシアン物と有名ドメーヌ物の差が歴然としたものである。不思議なことに、ネゴシアン物が直売りでドメーヌ物がスーパー売りと言う歪な背景が浮かび上がる。

バナナが出た後は、落ち着いてカシスやらミント味へと二日を掛けて変化して行く感じも決して悪くはなかった。要するに酸化の仕方が自然であり、前記のネゴシアン物がどんどんと酸味を増してワイン酢になって行くのとは大違いなのである。この価値差は好みの問題などでは一切なく品質の問題なのである。因みに酸化の仕方は、醸造工程に拠るのであるが、クリストマン醸造所もゼーガー醸造所もこのドメーヌ物と比較して決して悪くは無く、品質の高いシュペートブルグンダーは品質の悪いブルゴーニュよりも高品質であることを証明している。

それでもである。こうして20ユーロを超えるブルゴーニュにはその葡萄のクローンを含めて、そのミクロクリマが齎す独特の魅力があるのは間違いなく、ニュイ=サン=ジョルジュのピノノワールも品質に似合った手ごろな価格であれば決して買っても悪くはないと思った。この価格帯にきてようやくブルゴーニュがブルゴーニュらしくなると言っても許されるだろうか?



参照:
ブルゴーニュ吟味への投資 2013-10-05 | ワイン
早落としの村名ピノノワール 2013-08-01 | ワイン
ブルゴーニュらしいピノノワール 2013-08-13 | ワイン
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アメリカ製の素晴らしさ

2013-10-09 | テクニック
週末に注文したものが届いた。一つはアメリカ製の可変式楔セットである。セットと言っても一つで三通りの開き方をするので、設置できる割れ目の範囲が大きいと言うものだ。その分価格も通常のもの倍以上であり、三倍まではしないという市場価格を保っている。クライミングの相棒がその四種類ある大きさの一番の大きなものを失くしたと騒いでいた。

そこで価格を調べるとドル安のお陰か通常のものよりも六割増しほどで購入できることが分った。実は通常の可変式楔の三種類の大きさを、最も売れている商品に手を出してそれを揃えようとしたのだが、その後によりよいウェールズ製の製品を集め出して、結局ポピュラー製品のそれらをウェールズ製のそれに取り替える気持ちになった。

とは言っても、通常のものでも60ユーロほどする高価なものであり、おいそれとは新たに買い換えられない。そこで気がついたのが、アルプス行きの軽量化を考えれば、今回の高価なアメリカ製を買い足すだけで殆ど目的が達成されることが分った。つまり、同じようなものを三個買い換えるよりも、全く異なったものを一個買うことで、少なくとも二個分は買い換えることになるのである。

そして調べると二倍の価格どころか百ユーロを切っていたのである。そもそもこの楔があれば凡その大きささえ合っていれば差し込んでみればどこかで効く可能性が強く、急いで確保点が欲しいときに助かるのである。要するにここぞと言うときの墜落の可能性を減少させるだけでなく、腕力を温存を図ることが可能だ。

但しこのオメガパシフィック社の商品である「リンクカム」の短所は、可変範囲が多いために中に入る込んでしまうとどこかで引っかかって中々抜けなくなってしまうことである。そして高価なのだ。偶々買い替えが必要だった大きさが最大の大きさに相当することで、割れ目から抜けなくなる可能性は少なく、更に抜くための小道具も同時に注文した。

所謂楔などを回収するために、下から小突いたりそれ以上にメカニックな部分を引っ張って引き抜くために、平板に打ち抜かれた板のフックを使用するのであるが、これが安い商品でありながら色々と使いやすさなどで違いがある。自分自身はロープをリードすることが多いので今まで購入したことはなかったのだが、人のものを使ってみて感じていたことである。

一番都合悪く感じたのは、平板の打ち抜きのために指を掛けると手が切れそうになるもので、作業効率がとても悪い。そして尖がった長いものを腰に付けて歩くのは滑落などのときの怪我の原因になるので、その点にも配慮した商品が欲しかった。怪我の面では十分には避けられそうにはないが、後続の者が持参することを前提とすればある程度許せるだろうか。

そこで再びウェールズ製のDMM社製のそれ「ナットバスター」を発注した。過去に使った経験では指あての穴がとても使いやすく力が入るので作業効率が抜群によくて、気持ちも良かったのだ。その部分の色は各種あるようだが、注文のときに指定は不可能だったが、結局欲しかった緑が配達されて喜んでいる。

値段で選んでネットで最も安かったミュンヘンのシュスターと言う市役所近くの老舗に注文した。僅か11ユーロの買い物ながら案内書まで入れてきて、それには恐れ入った。そこには、輝かしい伝統である大登山家ヘルマン・ブールが倉庫で働いていた写真までが含まれている。こうしたちょっとしたところにもその歴史を感じるのである。これでまたハイエンドエキュープメントのリストが伸びた。



参照:
友達の道具を使い続ける 2009-07-01 | 雑感
涼しい夏の岩場の一時 2013-06-28 | アウトドーア・環境
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朝起き目覚ましの話題

2013-10-08 | アウトドーア・環境
バイロイトに電話した。祝祭の案内が未だに来ていないからだ。本来は今年は臨席する筈であったが、何故か断りも請求書も来ていなかったのである。理由は分からないが、電話してみると、ちゃんと顧客番号も生きていて、コピーを再び送るということになった。ネット予約のコードを呉れるようだったが、どうもこの一件の流れが不思議であるから、もう少し係わってみたいと思ったからである。そもそももはやそれほど魅力のある催し物でないだけでなく、なんとなく雰囲気が変わってきているので不思議に思っている。もはや郵便代が払えない状態になっているのだろうか?

日曜日からラディオで面白い話題があった。一つは教育情報番組で、朝起きドイツに疑問を呈する内容だった。これから冬時間や冬にかけて町々では真っ暗な中で子供たちが通学する情景が見られるが、日本の夜中と違って朝の登校風景である。凍てつく中をとても危険な感じさえする情景である。

勿論欧州の企業なども仕事効率は正午までがピークとされて午前中に業務を集中させる就業形態になっているが、子供の学習能力としては30分遅く登校させた方が効率が良いという結果が紹介されていた。子供が20時に床に就いているような状況ならば問題は無いと思うが、それでもあの暗闇の中では目が覚めていないのは当然であろう。

もう一つの話題は、フランクフルトでの土曜日の「ナクソスのアリアドネ」初日の報告で、ブリギッテ・ファスベンダー女史の演出やその女声陣などへの賞賛であった。こちらもどちらでも良い話題ではあるが、ファスベンダーの演出には少なからず興味はある。

殆ど一週間ぶりにかけた、忙しいので20分足らずであるが、目を覚ますには十分で汗を掻いた。初めて新しい綿のキョロットで走った。登るときのように膝で紐を結ぶととても軽快だ。腰の張りもあまり分からなくなってきていて、足腰も少し状態が良くなってきている。



参照:
初冬の力強い気持ち 2008-11-07 | 暦
新月に駆けるイタチの夜 2006-10-26 | アウトドーア・環境
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ボルダーの素晴らしい環境

2013-10-07 | アウトドーア・環境
ボルダリングを試した。冬のシーズンに試すためである。一度60KMのハイキングの時にその一部を見て是非試してみたいと思っていたところである。自宅の書斎の窓から真っ直ぐ遠くに見える尾根筋にある。直線距離で八キロぐらいだろうか。銀行から車で十分ほど走ればよい場所である。その位置には全く問題がなく、環境も多くは南向きの斜面にあるので陽射しが嬉しい。

更に尾根筋から降りる斜面に点在しているために特に上部は乾燥している。そして次のボルダー地域が海抜600Mほどに点在しているのに比べて400Mほどなので気象条件も良い。なによりも次の場所が湿り気が強かったのでこちらに興味を覚えたのであるが、その規模や数が比較できないほど多く、禁止にならない限りとても使える場所であることは間違いない。

最近は石切り場の登攀練習に限界を感じてきたところであり、この素晴らしい自然の手掛かりや足掛かりで練習できれば幸せなのである。雑食砂岩で変わることは無いが、パリ郊外のフォンテヌブローのそれは知らないのだが、現在の技術的課題からすれば十分であり、その多様性も素晴らしい。

仲間で日本に山崎製パンの施設設置で滞在したことのあるパンマイスターが地元であり、彼が色々とデモンストレーションをしてくれた。所謂スポーツクライミング専門の軽飛行機乗りである彼の特徴は、小身であるのをカヴァーする技術力であり、先日我々が挑戦して突破できなかった七級上をリードしようとしていたことでもその実力が知れる。昨年、同行者が事故を起こしたことからクライミングから遠ざかっていたことであり、また年齢的な心肺機能の衰弱も隠せないのであるが、やはりその身のこなし方は立派であり、我々のクライミング仲間でのテクニシャンぶりを発揮していた。

その技術力には多く学ぶことが多いが、どちらかと言えばフェースクライミングの達人であって、オヴァーハングなどの動きはそれほど見たことが無い。その点からも室内よりも室外の石切り場などを好んで登るタイプである。

数知れない課題が眠っている一帯で、特に南プファルツの奇岩地帯でそのまま使えるような、例えば嵌った小石を使って登る壁など、彼が言うように、「ここで登っておけばあそこに行っても全く問題ない」となる。こうした練習なしには5.11の領域は登れないことは確かである。

自身にとっては十代にそれに挑戦して、それが殆ど挫折となってクライミングをそれ以上練習することが無くなったトラウマのようなものであり、ここにきての再挑戦は5.11領域での本格的な登攀を可能にする最後の挑戦のようなものではないだろうか。



参照:
制御出来ないからこその環境 2011-08-28 | アウトドーア・環境
雪景色から緑の渓谷へ 2007-09-05 | 暦
奇岩の上を散策する 2011-05-19 | アウトドーア・環境
赤い西壁を攀じて祝杯 2013-09-27 | アウトドーア・環境
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デジタルカメラの高機能

2013-10-06 | テクニック
小型デジタルカメラを入手した。キャノンのIXYである。ドイツではIXUSとして出ていて山仲間が持っているのを見て最近のそれは大分軽くなっていることを確認したので欲しくなったのである。今まで使っていたソニーの十年以上前のサイバーショットの204Gとでは大分重量も異なり、142Gととてもコムパクトである。重量60Gの差はカラビナ二つ分ほどの差であり無視できない。大きさは必ずしも小さい必要はないのだが、安全ベルトにぶら下げて使ってみるとやはり邪魔になり難い。最大の問題は片手での操作感で、他のファンクションボタンなどを押してしまい邪魔になる。また手の中でもう一つ落ち着かない感じは片手だから仕方がないのだろうか。

兎に角当時のサイバーショット価格からすると驚くほど安いだけでなくて、このところの円安でお得感が大分あった。何よりも古いカメラは90ユーロで一度蛇腹を直させたのだがドロミテなどでも半開きになることがあったのと、その重量では今はとてもよい中型カメラがあることに気が付いたので、お蔵行きの時期と考えた。実際に壊さずに此の侭持っていれば殆ど骨董品になりそうである。

さて、今回のカメラに期待していたのは携帯の便利さだけでなくて、ある種の速射性と写したいかたちを実現させれる機能で、素人のマニュアルでの経験以上にデジタルのプログラミングを使っての思い通りの映像表現である。勿論レンズの質などが限られているために大きくして不特定多数のコピーの出来るようなものではなくても記録映像として十分な質を確保したかったのである。望遠効果や被写界深度の設定さらにポートレート効果やソフトフォーカス、白指定や魚眼などとても瞬時にはマニュアルで出来ないことがプログラムで可能となっている。現在のEOSなどのその優れ方がこうした所謂バカチョンカメラでも認識できたのである。

結構優れていると思わせるのは、広角のアングルからのズームの扱いやすさで、なるほど十倍の倍率では本格的な望遠ではないが、ポートレート撮影などにもとても使いやすそうなのである。その他には、写真の前に自動的にヴィデオ撮影する機能は予想外に良かった。本来ならばヴィデオ撮影となると構えてしまって長丁場で回すか短めに切るかしかなかったのが、この機能でダイジェストをつなぎ合わせると使える連続ヴィデオ撮影になっている。

片手操作と共に最も問題を感じた点はWIFIのネット接続であり、その転送速度である。最初にLANに読み込むのに苦労した。その最大の理由はWIN8しか使えなかったことで、それに対応しているPCは一機しかなかったことで、LANに入るまでかなり苦労した。そして何よりも問題なのはそれなりに充電した電気を消耗することである。もう暫く使ってみないと分からないが、頻繁に転送していると可成りの消費に繋がりそうである。それでもいちいちガードを取り出したり、コードを繋ぐ回数よりは充電する回数の方を減らせればそれでよいのかもしれない。それほど必要ないと思った機能であるが、あると欠かせなくなりそうである。



参照:
レンズの違いがあってこそ 2013-08-28 | 生活
カメムシ型の無線マウス 2013-06-20 | テクニック
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ブルゴーニュ吟味への投資

2013-10-05 | ワイン
バーデン・バーデンからの帰りにスーパーに寄った。ドイツの祝日はフランスの凶日かどうかは知らないが、少なくとも経済的には大繁盛である。ドイツ側の店が閉まっていて、休日であるから、ここぞとばかりに国境線を超えてレットアウトセンターやスーパーなどにドイツから人が押し寄せる。

自身は夕食を買いに行ったのだが、当然のことながら充実したワイン棚を漁る。先ずは、ジュヴェリー・シャムベルタンの2010年物である。ボーヌあたりのPCは比較的手軽に買えるがロマネコンティ―やエシェゾーと言ったものはいつ行っても棚に並んでいる訳ではない。今回はたまたまシャムベルタンとなった。それも2010年物なので先日試したシャムボールムジニーの若摘みと比較するのが狙いである。価格は33ユーロなので、当然のことながら先のものとは比較にならないぐらい熟成した葡萄からのピノノワールであることを期待している。

もう一本はこれまた安くはないニュイ・サン・ジョルジュの2008年物である。これは生産者もマシャードグラモンと有名どころなので期待している。これを飲めばそのCPの基本的な情報となるに違いない。22ユーロであるから丁度ドイツにおける中級品のシュペートブルグンダーとの勝負になる。

あまりに高いワインばかりを購入したのでスーパーでワインバックのプレゼントをもらう。態々高価なブルゴーニュを買わなくてもと言う感覚は普通であるが、もはやドイツのそれが可成り良い線に行っていて、20ユーロ以下では殆どブルゴーニュとは比較にならないほど良いものがあるために、それ以上のレヴェルで比較しないといけないからである。

もちろんこうした大型流通経路に載るようなブルゴーニュにCPの優れた一級品は無いと思われるが、それでも明らかにドイツのグランクリュの30ユーロ台よりも優れていないことにはお話にならないだろう。もしくは40ユーロ台のそれと比較してブルゴーニュがどれほど優れているかを実際に比較しないことにはピノノワールを吟味することにはならないからである。

先ずは出来上がっているであろう2008年物を開けてみたいが、どんな料理に合わせるかは少し頭の痛いところである。因みに本日は購入してきた魚のテリーヌがあるのでこれをメインにして南仏のシャルドネでも開けようかと考えている。



参照:
礫岩の黄金の十月 2013-10-04 | アウトドーア・環境
ブルゴーニュらしいピノノワール 2013-08-13 | ワイン
早落としの村名ピノノワール 2013-08-01 | ワイン
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礫岩の黄金の十月

2013-10-04 | アウトドーア・環境
今年二度目のバーデン・バーデンのバッタルタのクライミングである。天気が良く、朝はフランクフルトなどでも零度になるぐらい寒かったが、午後は陽が射してTシャツで登れた。とても素晴らしい正しく黄金の十月であった。

九月初めに初めて長目のスポーツルートをアルゴイのアルプスで経験したBASFの者が石灰に続いて礫岩デビューとなるので、ザイルを組んだ。アルゴイに行く前から本格的にリードの練習もしていたが、現地では経験させて貰えなかったようだ。その難易度にもよるが、四級のレヴェルは的確に導けば安定して登ることが出来る。

問題は自分では効いていると思っている可変式の楔などが全く効いていないなど中間支点の問題はあったが、それは指摘することで直ぐに修正することが出来た。昨年から自分が練習してきて来たことであり、捻じ込む角度や深さなどは殆ど座学に近いものなので習いやすい。

逆に怖さもあるゆえか、比較的マメに中間支点を取る傾向があるので、支点さえ効いていれば事故には繋がらないであろう。来年は五級を登りたいと言うがその程度までは問題なくても、その上のクラスはしっかりした技術を学ばないと厳しいであろう。

自分自身は、今春から履き出した靴の底が破れだしたのでそれを張り替えに出し、同じ靴の二足目を安く入手したのでそれを持参して、最も古いラスポルティヴァの刀の一足目を使った。底を張り替えたのは良かったが、上部ががたがたで今度底の張替えが必要になったら廃棄しかない。

結局新しい靴を下すことなしに、ぼろぼろの靴で登ってみて分かったことは、特にバーデン・バーデンの岩場では小さな足場に立ち難く、若干上体を多めに使うことになった。また足の使い方がおおざっぱなので微妙なバランスは取り辛い。雑食砂岩のその程度の難易度ではあまり問題にならないことが、そこでは問題になりかねない。そのような事情もあってか、昨年中は全く反対の印象を持っていたのだが、今年はいつの間にかプファルツの雑食砂岩がホームゲレンデとなってしまったのを自覚した一日であった。新しいキュロットも試したが、膝下で括ることで最高の心地であった。



参照:
リセットさせる岩質や摂理 2013-06-17 | アウトドーア・環境
ある程度熟せるように 2013-09-29 | アウトドーア・環境
赤い西壁を攀じて祝杯 2013-09-27 | アウトドーア・環境
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フリーなキュロットの魅力

2013-10-03 | アウトドーア・環境
注文していたキュロットが届いた。同じマムート製であるがサイズを一つ落としたので心配していた。ネットにあるように大きめの所謂ルーズカットなので全く問題がないどころかもう一つ下が狙える。

ここ最近の胴の締まり方は脂肪はそれほど落ちていないのに可也のもので、ランニングの成果がそのまま身体の切れにそのまま繋がっているようである ― 若干腰に違和感が残っているのが気になっているが。

さて記事がナイロンからコットンへと大きく様変わりして、履き心地も全く異なる。その太さだけでなくて、破れて問題となった膝辺りのウレタンの伸びる材質がなくなっていることから膝を上げるとそこが突っ張る。

つまり確りと膝の下の紐でニッカーボッカーのように括らないとこの長さの価値が出ない。恐らく膝の破れ易い素材が前製品の技術的なネックとなっていたのだろう。しかし紐で括ることで可也の自由度は確保できて、特に横方向や上への足上げは楽になっている。もう一度前のものを試してみるとなるほどストレッチ素材なので違和感はないのだがそれを伸ばすだけの抵抗は掛かっていたのが認知できる ― このあたりは今後の山でのズボン選定時に大きな鍵となるだろう。

さて生地は、薄すぎもせず、厚すぎもせず、丁度良い厚さなのだが、どれほど耐えられる生地なのかは気になる。一つだけ確かなのは、ナイロンと違って摩擦係数が高いので厳しい割れ目登攀では結構助けてくれると思うのだ。その分破れやすくなると言うことはあるだろうが。

これはパタゴニアの商品ではないが、天然素材を使っていると言うことで、更にヴェトナム産ということで、フェアーウェアーファンデーションの労働条件などのフェアーネスが保障されている。なるほどこのルーズカットのファッションはフリーチベットなどに繋がるものだ。消費者は、バイオと同時にそれを喜んで求める。搾取と自然破壊の商品には手を出さない。少なくともこうしたコンセプトを押し出すことは決して悪くはない。



参照:
購入した安いティケット 2013-09-30 | 雑感
夏全開の涼みがてら 2013-06-21 | アウトドーア・環境
Not body conscious. Not baggy 2011-07-11 | アウトドーア・環境
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素人を騙す金儲け評論

2013-10-02 | 試飲百景
取ってきたPCを開けた。ヴァッヘンハイムのゴルトベッヒャエルである。なんていうことのない地所であったのだが、辛口醸造になって更にビオデュナミで根が蔓延ったためか、街道沿いの比較的低地にある割にはミネラル感満載のリースリングが出来上がる地所である。数年前に初めてレープホルツ醸造所の極辛口オェコノミラートとの比較でその辛口度に気がついたのであった。

それ以後ビュルクリン・ヴォルフ醸造所のプリュミエクリュとなっているこれは毎年注文するのである。そのそも人気もないが、量も少ないので、ひっそりと楽しんでいるが、基本的には雑食砂岩のミネラルであり、それが辛口として夾雑物無しに表れるのだ。

なるほどレープホルツのそれと比較すると糖も残っているので、あそこまでは行かないが、ワインだけを飲んでいると、レ-プホルツのものよりも遥かに複雑で旨い。恐らく二年を過ぎた時点では甲乙を付け難いどころか、明らかにレープホルツの上級の雑食砂岩と同等の熟成を果たしているのは間違いない。しかし四年五年を過ぎた時点でどれほど新鮮なのか?レープホルツのそれがパプリカ水になってしまっている時点で、どれほどの熟成を果たしているのか?それには限界があるだろう。

しかし、ロベルト・ヴァイルのキードリッヒと比較すればそれなりに熟成もして尚且つ新鮮さが残っているだろう。1999年度の嘗てのゴルトベッヒャエルを先日試したが、培養酵母とステンレス醸造で現在の天然酵母と木樽醸造とは全く異なり流石にフィルンの趣が強くても、そのミネラルは不動であった。当時は全くそれに気がついていなかった。そして現行のワインは、本年度試した2012年産のリースリングとして、最高の出来上がりを体験したワインであった。

ゲオルク・モスバッハー醸造所のフロインドシュトュックを試した。注文していた二本を回収するために出かけると、先代がこれが評価本で最高点を取っていると教えてくれた。試してみると全く酸が効いていなくて - 酸よりも残糖値が高く、流石に先代も二年以内の消費に同意した - これは保存は利かないと思ったが、評価本の評価などはそのワインの価値を示すものでは全くない。それでもそのときの試したときの美味さだと規定しているならば良心的であるが、素人を騙しての金儲けのためならばなんでもするという破廉恥さはいつも隠され続けているのである。こうした輩がジャーナリストを称するのは、こうした分野だけでもなく日本だけでもの話ではないから、酔わずには居られないのだ。



参照:
解禁なったPCリースリング 2013-07-05 | 試飲百景
狩人の健康な食欲の特権 2010-08-10 | 生活
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