小学1年生になったばかりの息子を持つ母親が主人公だ。どこにでもいそうな家族。夫はテニスのプロだったが、今は自分たちのために生きてくれている。彼はかってテニスで世界中を回っていたが、自分の才能に見切りを付けて、今はインストラクターをしている。そんな優しい夫とは当然育児と家事を分担している。そして、彼女はちゃんと仕事もバリバリこなす。何不自由ない理想的な暮らし。何一つ文句のつけようのない日々。だけど、 . . . 本文を読む
圧倒的な面白さでグイグイ引っ張ってくれる。さすがポン・ジュノだ。ジェットコースターにでも乗せられた状態で、作品世界に一気に引き込まれていく。こんなバカバカしいことはありえないだろ、と思いつつも、乗せられる。貧富の差を、まず、半地下という空間で提示し、そこにあからさまな豪邸を対比させるところからお話を紡ぎ出す。笑いとスリル、意外性で文句のない作品か、と思わせる。
だが、途中から「これはちょっとやり . . . 本文を読む
作り手は、まず観客に面白いお話を見せたいのだな、ということは伝わってくるのだけど、その見せ方や描き方がちょっと拙いから、乗り切れない。どんなに嘘くさい話でも勢いに乗せて冗談のように飛ばしてくれたなら、笑いながら見ていられるのだけど、それもない。
クライマックスに向けて緊張感を持続できないし、見せ場となるはずの、6時間生放送を乗り切れるのか、という部分もまるでサスペンスを感じさせないまま終わるのに . . . 本文を読む