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映画・演劇のレビュー

『殺人の告白』

2013-07-17 07:54:22 | 映画
 ザ・韓国映画。って感じ。超重量級大巨編。激しいし、重くて暗い。でも、スクリーンからは目が離せない。まずアクションで、次にドラマで、見せる。でも、その間にも派手で過激なアクションは満載だ。ストーリーも2転3転する。どんだけやるねん、というくらいに、あの手この手だ。このねばり、しつこさ。これぞ往年の韓国映画。『シュリ』の時代に戻った気分だ。最近の軽やかでおしゃれな韓国映画とは一線を画する。これは貴重だ。

 冒頭の肉弾戦からして凄い。犯人を追いつめる刑事との一騎打ち。どこまでやるのか、というくらいにめちゃくちゃしてくれる。時は流れ、時効になった瞬間に姿を現す犯人らしき男。男は事件を詳細に書いた小説を発表する。刑事と彼との今度は頭脳合戦。そこに、彼に殺された遺族たちのグループが、犯人憎し、で絡んでくる。彼らがなんと犯人を誘拐して殺そうとする。いいのか、そんな過激なことをして! ここでもちゃんとド派手なカーチェイスも見せてくれて、そこまでやるか、と突っ込みたくなる。さらには新犯人の登場で、誰が本当の犯人なのかわからないままマスコミを巻き込んで(というか、マスコミが煽ったのだが)一大スキャンダルになる。

 まったく予備知識もなく見たから、とても驚いた。やわな映画ではないかと期待はしてなかったからだ。こういう拾いものをすると、うれしい。なんだか得した気分だ。ポスターになっているパク・シフは主役ではなく、意外な役処。大胆。あのポスターからああいう扱いのキャスティングって、普通あり得ない。実際の主人公であるタフすぎる刑事を熱演するのは、『黒く濁る村』などのチョン・ジェヨン。話も、アクションも過剰すぎて突っ込みどころは満載なのだが、娯楽映画の王道を行く。面白い映画を見せてやろうじゃないか、という意気込みが凄い。濃すぎて笑えるくらいの映画なのだ。



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