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映画・演劇のレビュー

『天使のいる図書館』

2021-05-31 19:18:53 | 映画

狗飼恭子による脚本なので、期待したのだが、最初から違和感だらけ、そのうちなんとかしてくれると思ったけど、どうにもならない。なぜ彼女がこういう台本を書いたのか。何がしたかったのかがわからない。

どうしてこういうわざとらしい作り方をするのか、不思議。主人公(小芝風花)の性格設定が異常で、笑わせるためなのか、とも思うけど、ロボットみたいにしゃべるのとか、止めて欲しい。へんな女だけど、ここまで変人では、仕事にはならないのではないか。こんな図書館司書がいたら、いくらなんでも即クビになるだろう。お話の展開も彼女のこの性格を踏まえて、になるので、お話にも乗れない。奈良県のご当地映画でロケ地に関してはいろんな制約もあるのだろうけど、お話はノーチェックなのか。こんないいかげんなお話で企画が通るだなんて不思議だ。

50年ぶりにこの町に帰ってきた女性の初恋の顛末が描かれる。このお話は面白いから、ちゃんと作ると恋愛映画として成立したはずだ。狗飼恭子がやりたかったことはそこにあるのだろう。だけど、狂言回しになる主人公がバカすぎてダメだった。演じるのは香川京子である。彼女が裏切った男性が森本レオ。高校教師とその教え子の恋。当然結ばれるわけはない。彼女はこの町を去っていった。病気で死に直面した今、あの時の彼に会って許してもらいたい、と思う。この本題となるお話は面白いから、ちゃんと作るとこれはこれで恋愛映画として成立したはずだ。狗飼恭子がやりたかったことはたぶんそこにあったのだろう。だけど、狂言回しになる主人公がバカすぎてダメだった。仕事中に職場から抜け出して彼女の思い出の場所探しをしたり、もうありえないお話の展開に目が点になる。

だいたいタイトルの天使って誰のことなのか。あの天然の主人公のことか?でも、それはないわぁ、と思う。それにしてもこんなアホな図書館はあり得ない。ファンタジーとして作っているのだろうが、まるで乗れない。大失敗の1作。ちゃんと選んでみているけど、まぁ、たまにはこういうとんでもない映画にも当たってしまう。仕方ない。


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