『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のモルテン・ティルドゥムの監督作品なので期待したけど、あまりに緊張感がない映画でがっかりした。なんか予定調和でまるで驚きはない。
ある特別な事態が生じて、それを受け入れ人生を全うする。こんなにもストーリーに起伏がなく、仕掛けもない映画を作ってどうするんだ、と心配になる。お客さんは来ないよ、これでは。
確かに美術はすばらしい。あの宇宙船内のデザインには圧倒される。たった二人でこの広い艦内を占拠する。まぁ、ほかには誰もいないのだから仕方ないことなのだが。
広い宇宙にふたりきり、というのは、もうすでに『ゼロ・グラビティ』がやっている。でも、あの映画以上にのんびりしている。この切実な状況を憤っても仕方ないことだから、受け入れるしかないのかもしれないけど、ここまで平坦なストーリー展開でラストまで一気に見せるなんて、なんだか勇気がある映画だ。でも、それが成功しているとは言い難いけど。