
蓬莱竜太の第53回岸田戯曲賞、受賞作品を取り上げる。劇団大阪がシニア対象にして活動している演劇講習会の公演だ。シニア劇団の芝居は活発化しているが、僕は今回初めてそういう芝居を見た。初体験である。舞台の上の役者も初体験の人もたくさんいたのかもしれない。お年寄りになって、芝居を始めるって、それだけで凄いことだ。世の中にそういうものを受け入れる風潮が出てきたのは素晴らしい。それより何より、芝居に挑戦する老人がたくさんいる、という事実がもっと、素晴らしい。しかも、この作品は、老人の学芸会ではない。ちゃんとした小劇場の芝居として、成立している。そりゃぁ、劇団大阪が、後押ししているのだから当然の話だろう。でも、実際に目にするまで、これだけちゃんとした作品に仕上がっているなんて、幾分、不安があったのも事実だ。
台本がしっかりしているから、それにも助けられた。だが、6人の役者たちの頑張りは、凄い。でも、本当に凄いことは、そこではなく、11歳の少女を、きっと70代ではないかと思われる女性が演じたことだ。(山崎芳枝さん。 もし、60代ならごめんなさい!)彼女の登場は衝撃的だった。しかも、無理して子供っぽく振舞うのではない。普通に子供を演じている。可愛い格好が板についているのではなく、痛々しいわけでもなく、正直言うと、少し不気味なのだが、(ごめんなさい)そんな彼女から目が離せない。(一番前の席で見たから、年齢があからさまに感じられる)媚びるでもなく、かわい子ぶっているわけでもなく、とても不自然なのに、超然としている。テレてないのだ。なんか、すべてを超越していた。実はもうそれだけで、十分な気分にさせられた。
主人公のミドリを演じたのは劇団大阪の中田小百合さんで、彼女に引っ張られて全体のアンサンブルもとてもうまく機能している。この女たちのドラマを男であるまだ若い蓬莱さんが書き、それを老人を含む年配の女性たちが演じる。女だからわかる不安と、喜びを根底にするこの作品をリアルタイムの世代ではなく、充分人生を生きた世代が芝居として見せることにも、なんだかしれないけど、凄いものを感じる。
台本がしっかりしているから、それにも助けられた。だが、6人の役者たちの頑張りは、凄い。でも、本当に凄いことは、そこではなく、11歳の少女を、きっと70代ではないかと思われる女性が演じたことだ。(山崎芳枝さん。 もし、60代ならごめんなさい!)彼女の登場は衝撃的だった。しかも、無理して子供っぽく振舞うのではない。普通に子供を演じている。可愛い格好が板についているのではなく、痛々しいわけでもなく、正直言うと、少し不気味なのだが、(ごめんなさい)そんな彼女から目が離せない。(一番前の席で見たから、年齢があからさまに感じられる)媚びるでもなく、かわい子ぶっているわけでもなく、とても不自然なのに、超然としている。テレてないのだ。なんか、すべてを超越していた。実はもうそれだけで、十分な気分にさせられた。
主人公のミドリを演じたのは劇団大阪の中田小百合さんで、彼女に引っ張られて全体のアンサンブルもとてもうまく機能している。この女たちのドラマを男であるまだ若い蓬莱さんが書き、それを老人を含む年配の女性たちが演じる。女だからわかる不安と、喜びを根底にするこの作品をリアルタイムの世代ではなく、充分人生を生きた世代が芝居として見せることにも、なんだかしれないけど、凄いものを感じる。