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映画・演劇のレビュー

『21世紀の女の子』

2019-03-13 21:22:34 | 映画

15人の女性監督たちによる短編連作。5分ほど(8分以内、というしばりらしい)という短さの中で、女の子の微妙な生理のようなものが、浮き彫りにされていく。なまなましいものもあり、けっこうドキドキする映画だ。それぞれのエピソードが説明的ではないから、よくわからないまま、提示されるものもあり、そこもいい。

 

わかりやすいものなんかいらない。わかりにくいものを、投げ出すようにして、そこにごろんと転がしてくる。えっ? って思う間もなく、つぎのエピソードになだれ込む。でも、怒濤の連作っていうわけでもなく、けっこうあっさりとしている。

21世紀を生きる女の子たちのスケッチをそれぞれの若い監督たちは気負うことなく、表現する。でも、これはあくまでも映画である。たとえ7.8分程度のものであれ、劇場用映画の矜持を持つ作品として提示しようという意気込みがちゃんと感じられるのがいい。ここにストーリーは期待するまい。感性だけで撮るわけにもいくまい。単純なメッセージではすまさない。1つずつのインパクトはあまり感じなかったけど、見終えてなんだかいろんなものを受け取った気分だ。

溺れるナイフ』の山戸結希監督が企画・プロデュースした。彼女の声掛けで集まった女性たちが「女性であること」をテーマにしてこの2時間ほどの長編を紡ぎあげた。たまには、こんな映画もあっていい。大胆で繊細。稚拙なものも含めて。


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