
大阪西成を舞台にしたアクション映画。こんな作品だとはまさか思いもしなかった。最初は西成を舞台にした人情ものだと思って見ていたが、なんだか違うみたい。『ひとくず』の上西雄大が脚本、監督、主演する二部作の第一話。
冒頭の殺人現場で主人公のゴローが一家惨殺事件の犯人として逮捕されるシーンから始まったが、彼は刑期を終えて西成のあいりん地区にやって来て日雇い労働者になる。ここでの仲間たちとのふれあいが描かれるものと思い見ていたら、実は彼は政府の秘密エージェントの工作員で、優秀な殺し屋だなんて冗談みたいなお話に。
心臓を病む娘を助けるために必要な4億円を稼ぐため殺しを引き受ける。なんじゃこれは!という唖然な話になる。このポンコツ映画はコメディではなく、一応真面目なアクション映画の体を成すけど、アホらしい展開を大真面目でやる。しかも津田寛治や奥田瑛二まで登場して上西をサポートして一緒に演じる。上西の個人プロに、なんと吉本興業と奥山和由のチームオクヤマが製作に噛んでいる。自主制作のヒューマンドラマ『ひとくず』から今回は西成発のなんとエンタメ映画に。もちろん低予算の作品だけど気分はトムの『ミッション・インポッシッブル』。