
3姉妹の話。とてもいびつな家族だ。母親はいない。しかも、3人ともみんな違う母親を持つ。父は、また女が出来て、家出中。いつものことだ。だから、今は3人で暮らしている。次から次へと女を変えていく困った父と、まるでキャラクターも違う3姉妹がひとつ屋根の下で暮らす。(先にも書いたように、今は父は家出していないけど)
3人のドラマがそれぞれの視点から綴られていく。お話が重なるところも含めて、とても心地よく流れていく。読みやすいし、どうなるのだろうか、と興味津々でページをめくることができる。いつもながら橋本紡はストーリーテラーだ。たいした話ではないのに、どんどん読ませてしまう。
しっかりものの姉。フラフラしている妹。まるで主婦のように家族を支える高校生の下の妹。3人はまるで父と母とダメ息子みたいな関係を示す。3人で家族って感じだ。でも、不在の父の存在は実は大きい。どうしようもないバカオヤジなのだが、いないとやはり調子が狂うみたいだ。外から見たならとんでもない家族だろうが、本人たちは別に気にしていない。
世の中の価値観では計り知れないものが、それぞれの家族にはある。それは他人にはわからない。何が幸せで何が不幸なのかも、よくわからない。でも、彼女たちは自分たちのありかたに対して確固とした自信を持つ。今までこうして生きてきたのだから、これからもこうして生きていく。居直りではない。それが私たちなのだ。そんな声が聞こえて来るような小説である。
3人のドラマがそれぞれの視点から綴られていく。お話が重なるところも含めて、とても心地よく流れていく。読みやすいし、どうなるのだろうか、と興味津々でページをめくることができる。いつもながら橋本紡はストーリーテラーだ。たいした話ではないのに、どんどん読ませてしまう。
しっかりものの姉。フラフラしている妹。まるで主婦のように家族を支える高校生の下の妹。3人はまるで父と母とダメ息子みたいな関係を示す。3人で家族って感じだ。でも、不在の父の存在は実は大きい。どうしようもないバカオヤジなのだが、いないとやはり調子が狂うみたいだ。外から見たならとんでもない家族だろうが、本人たちは別に気にしていない。
世の中の価値観では計り知れないものが、それぞれの家族にはある。それは他人にはわからない。何が幸せで何が不幸なのかも、よくわからない。でも、彼女たちは自分たちのありかたに対して確固とした自信を持つ。今までこうして生きてきたのだから、これからもこうして生きていく。居直りではない。それが私たちなのだ。そんな声が聞こえて来るような小説である。