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映画・演劇のレビュー

『トレジャー・オブ・エンペラー』『アジャストメント』

2011-12-30 13:05:30 | 映画
 1昨年台湾に行った時、公開されていた映画だ。原題はたしか『刺陵』だったのではないか。よくあるパターンだが、日本版タイトルはどうしてもこんなふうに下品になる。ようやく今頃になって日本でもDVD発売されたようだ。劇場公開はなかった、と思うが知らない間に公開されていることもある。いつものことだが、ほとんど何の宣伝もなく、DVD発売に合わせて箔をつけるためひっそり上映されるケースはいまだ健在だ。でも、もうそんなことをしてもこれからは意味はなかろう。
 
 とても派手で、お正月らしい映画。現地ではこれはちょっとしたお正月大作だったはずだ。ジェイ・チョウ主演だし。なんかバカバカしそうだったので、見なかったが、なんとなく懐かしい気分で、レンタルしてきた。台湾版『インディージョーンズ』なのだが、何から何までいいかげんで、派手は派手なのだが、ここまで大雑把にやられると、なんか乗り切れない。アクション監督にチン・シュウ・タンを呼んで来ていて、見せ場には事欠かない。だが、話がここまでお座なりではしんどい。ドラマとしての整合性もない。

 マット・デイモン主演で少し期待した『アジャストメント』も見たのだが、これも期待外れの大作。デイモンがボーン・シリーズみたいに、逃げる話で、派手な大作みたいなのだが、話がこれもまた実にしょぼくて、つまらない。ディックの短編の映画化らしいが、作品の構造が、よくあるパターンでしかなく、なんら新機軸はない。スピルバーグで、トム・クルーズ主演の『マイノリティー・レポート』くらいの出来でなくては納得しない。大体、まるで弾まないし。冗談みたいな結末も含めて、最悪。これが劇場公開されるなんて、冗談でしょ、と思う。

 疲れていて、あまり考えたくない時、頭の中を空っぽにして、たわいないアクション映画に身を委ねたいと思う。だが、そんなふうに心地よく流せられる映画って、ありそうで、実は、あまりない。空っぽのアクションがひたすら楽しいって、実は結構ハードルが高いのだ。『リーサル・ウエポン』とか、『ダイハード』のような映画が見たい。でも、最近そういうのってない。文句なしにドキドキハラハラさせられる映画。そう考えると、やはりスピルバーグは偉大だった。

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