
なんと江戸川乱歩の少年探偵団シリーズのリメイクである。ポプラ社がオリジナルの装丁デザインをそのまま踏襲して、まるでシリーズの新刊のようにして刊行した。この趣味のいいお遊びが楽しい。当然オリジナルの大ファンである小路幸也は、乱歩へのリスペクトにとどまらず大胆な新機軸を用意した。主人公の3人(もちろん小林少年、怪人二十面相、明智小五郎だ!)の出会いのドラマとして構成したのだ。だからこれはシリーズの最新作というよりも「エピソード0」なのだ。オリジナルのさらにその前に遡る。
僕が知らなかっただけで、これは乱歩生誕120周年企画の第4弾で、先に、もう藤谷治や万城目学、芦原すなおが書いているようだ。それらもちょっと気になるけど(とくに万城目!)、最初にこの作品を読んでよかった。それほどにこの作品のアイデアの斬新さ、衝撃は大きかったからだ。
ただお話のオチの部分はつまらない。二十面相の正体がしょぼい。そういうのはないだろ、と思う。ここまで期待させといて、あれはない。ただ、そこまでの展開は最高だ。何といっても主人公の少年が、「小林少年」になるドラマ、という基本設定がすごい。そんな『少年探偵 ビギニング」とでも呼ぶべきお話をここまでドキドキさせて見せた小路幸也の筆力には感嘆した。昭和レトロのムードも満載した20年代の風俗を再現したのもさすが。少年を救いだす謎の紳士の正体は最後まで分からないけど、僕はずっと彼こそが二十面相ではないかと疑っていた。まさかの二十面相の正体にがっかりしたが、もしかしたらこれはただの続編への布石でしかないのかもしれない。そうなら、僕はまんまと引っ掛かったことになる。
満を持して登場する明智小五郎(最初は彼が謎の紳士かと思わせる)が、二十面相をおびき寄せるために、隠してきた正体を明かすという展開もいい。しかも、そこはまだお話の導入部分なのだ。前半150ページほどの興奮は近年なかったものだ。それだけにラスト100ページの失速には納得しない。二十面相と明智、小林少年による胸躍る対決が見たかった。この小説をヴァージョンアップして、ぜひ山崎貴監督の手で映画化して貰いたい。主人公の明智は亀梨和也にお願いしよう。『ジョーカーゲーム』の彼のイメージでお願いしたい。
僕が知らなかっただけで、これは乱歩生誕120周年企画の第4弾で、先に、もう藤谷治や万城目学、芦原すなおが書いているようだ。それらもちょっと気になるけど(とくに万城目!)、最初にこの作品を読んでよかった。それほどにこの作品のアイデアの斬新さ、衝撃は大きかったからだ。
ただお話のオチの部分はつまらない。二十面相の正体がしょぼい。そういうのはないだろ、と思う。ここまで期待させといて、あれはない。ただ、そこまでの展開は最高だ。何といっても主人公の少年が、「小林少年」になるドラマ、という基本設定がすごい。そんな『少年探偵 ビギニング」とでも呼ぶべきお話をここまでドキドキさせて見せた小路幸也の筆力には感嘆した。昭和レトロのムードも満載した20年代の風俗を再現したのもさすが。少年を救いだす謎の紳士の正体は最後まで分からないけど、僕はずっと彼こそが二十面相ではないかと疑っていた。まさかの二十面相の正体にがっかりしたが、もしかしたらこれはただの続編への布石でしかないのかもしれない。そうなら、僕はまんまと引っ掛かったことになる。
満を持して登場する明智小五郎(最初は彼が謎の紳士かと思わせる)が、二十面相をおびき寄せるために、隠してきた正体を明かすという展開もいい。しかも、そこはまだお話の導入部分なのだ。前半150ページほどの興奮は近年なかったものだ。それだけにラスト100ページの失速には納得しない。二十面相と明智、小林少年による胸躍る対決が見たかった。この小説をヴァージョンアップして、ぜひ山崎貴監督の手で映画化して貰いたい。主人公の明智は亀梨和也にお願いしよう。『ジョーカーゲーム』の彼のイメージでお願いしたい。