正月らしい派手なアクション映画だが、あまりに単調すぎて退屈する。トニー・スコットはCGには頼らない本物の映画を目指したらしいが、これではあまりに単純すぎないか。テンポのいい正統派の映画なのだが、ドラマの展開も含めてすべてが当たり前すぎて、すぐに飽きてくる。めまぐるしいほどのカットの多さも、スピード感をつけるためだろうが、それすらだんだんワンパターンの単調さに吸収される。途中から何度となく居眠りしそうになった。ノンストップ・アクション映画で、それはいくらなんでもまずいだろう。
デンゼル・ワシントンは前作『サブウェイ123 激突』からの連続登板となるが、彼のような上手い役者を使いながら、それを活かしきれないのが、トニー・スコットのダメさだ。兄貴のリドリー・スコットと較べるのは今さらのことだが、重厚なリドリーとは対極を行く彼が、役者頼みで映画を作るのはなんだか解せない。それって弱気になっているとしか思えないのだ。しかもデンゼルを生かすような映画を作るわけではない。パターンの芝居しか引き出せないのだから。それは映画に重厚さを与えるための安易な方策でしかない。当然デンゼルは悪くない。というかとてもいい。だからねらい通りなのだが、そこが僕には甘いとしか思えないのだ。2人は相性がいいのかこれまでも何度もコンビを組んでいるが、デンゼルのキャリアにおいていずれも大した意味は持たない作品ばかりだ。それでも何度も組むのは、きっとよほど相性がいいのだろう。それにトニーの映画は彼にとっては、ちょとした息抜きになるのかもしれない。
今回の99分という上映時間は悪くない。この手の大作映画としては異例の短さである。いらないエピソードを極力カットして、いきなりドラマの核心に入る展開もいいと思う。そこもきっとねらい通りだろう。暴走する長大な(40両もの貨物を繋いでいる)無人機関車をいかにして止めるのか。列車には有毒化学物質が搭載されていて、町に向かって暴走している。よくあるパターンである。実話をベースにしているから、小ざかしい仕掛けはない。直球勝負をかけてきたのだ。ダイナミックな疾走シーンを積み重ねて、テンポよく一気に見せる。
こんなにもねらい通りに作られたのに、ここまで物足りないのはなぜか。それは、ここには作り手の創意工夫がないからだ。ありきたりな展開に乗っかっただけで、それをどれだけ丁寧に作ったところでそこには自ずと限界がある。もちろん実話を元にした映画だから勝手な話を作れないだろうし、そんなものは必要ない。ここで必要なものは、作り手の覚悟だ。それが僕には感じられない。頑張ってはいるだけに、なんとも惜しい映画だ。
デンゼル・ワシントンは前作『サブウェイ123 激突』からの連続登板となるが、彼のような上手い役者を使いながら、それを活かしきれないのが、トニー・スコットのダメさだ。兄貴のリドリー・スコットと較べるのは今さらのことだが、重厚なリドリーとは対極を行く彼が、役者頼みで映画を作るのはなんだか解せない。それって弱気になっているとしか思えないのだ。しかもデンゼルを生かすような映画を作るわけではない。パターンの芝居しか引き出せないのだから。それは映画に重厚さを与えるための安易な方策でしかない。当然デンゼルは悪くない。というかとてもいい。だからねらい通りなのだが、そこが僕には甘いとしか思えないのだ。2人は相性がいいのかこれまでも何度もコンビを組んでいるが、デンゼルのキャリアにおいていずれも大した意味は持たない作品ばかりだ。それでも何度も組むのは、きっとよほど相性がいいのだろう。それにトニーの映画は彼にとっては、ちょとした息抜きになるのかもしれない。
今回の99分という上映時間は悪くない。この手の大作映画としては異例の短さである。いらないエピソードを極力カットして、いきなりドラマの核心に入る展開もいいと思う。そこもきっとねらい通りだろう。暴走する長大な(40両もの貨物を繋いでいる)無人機関車をいかにして止めるのか。列車には有毒化学物質が搭載されていて、町に向かって暴走している。よくあるパターンである。実話をベースにしているから、小ざかしい仕掛けはない。直球勝負をかけてきたのだ。ダイナミックな疾走シーンを積み重ねて、テンポよく一気に見せる。
こんなにもねらい通りに作られたのに、ここまで物足りないのはなぜか。それは、ここには作り手の創意工夫がないからだ。ありきたりな展開に乗っかっただけで、それをどれだけ丁寧に作ったところでそこには自ずと限界がある。もちろん実話を元にした映画だから勝手な話を作れないだろうし、そんなものは必要ない。ここで必要なものは、作り手の覚悟だ。それが僕には感じられない。頑張ってはいるだけに、なんとも惜しい映画だ。