
80年代、尾道から東京へ。少女は小学生から中学生に、そして大学生に。彼女の20年に及ぶ軌跡を描く。自分らしく生きるために、全力で取り組む。親を説得して東京の4年制大学に進学する。だが、父の会社が倒産し親からの援助がなくなり大学を中退することになる。やがて波瀾万丈の90年代に突入する。
4章からなる壮大な人生のドラマはひとりの女の子を立派な大人の女性に変えていく。小学生から33歳で結婚するまでのドラマを追いながら、人が生きていくって凄いことなんだなぁって改めて思う。平凡に見える誰にだってさまざまなドラマがある。どこにでもありそうな、でもたったひとりの唯一の人生。それを描く。
後半は大学中退から看護師になって、ナースとしてのハワイへの船旅を経て結婚に至る怒濤の展開だ。それは特別なドラマでなく、彼女だけのドラマだ。さまざまな人たちとの出会いから彼女はまさかの自分の人生を体験する。こんなことが起きるなんて考えもしなかった唯一無二の自分だけの人生。
もちろんこの先にはまだまだ新しいドラマが待っている。33歳は始まりでしかない。だけど多感だった少女は立派な大人になった。そのことを祝福したい。結婚おめでとう。