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映画・演劇のレビュー

宮木あや子『校閲ガール』

2016-11-26 22:48:02 | その他
自分の好きなことのために全力で向き合う主人公の姿が好ましい。こんなふうに生らきれたならきっと素敵だと思う。好きになった男の子に対しても、彼が好きになった理由を聞かれ「顔」と言い切れるのも凄い。ふつうそんなことは言わない。(たとえそれが本当の理由であろうとも、だ)そう言い切れる彼女の自信が素晴らしいのだ。



世の中うまくいかないことばかり。ままならないのが人生なのだが、そこで彼女はへこたれない。なんか、逆境だってこの子は楽しみに変えている気がする。ファッション雑誌の編集の仕事がしたくて、とんでもない倍率の出版社に根性で入ったのに(今では3流大学になったお嬢さん学校出身なのに!)まわされたのは校閲部。しかも、文芸の。不本意な仕事なのに、文句たらたら言いつつも、なんかとても生き生きしている。ここで頑張れば編集への配置転換もあるはず、となんだか前向き。おしゃれ女子である自分のやり方は変えない。



これは宮木あや子のいつものパターンなのだが、やはり乗せられる。読み終えると元気が出てくる「お仕事小説」。9月にこの小説の第2弾で、スピンオフでもある『校閲ガール
アラモード』を先に読んでいる。主人公が出ないほうを先に読んでようやく今日、本編を読めた。たった1日の電車の往復で読み終えられた。それくらい読みやすい。



今、この小説がTVドラマとして放映されているようだが、主人公の河野悦子が石原さとみ、らしい。なかなかうまいキャスティングだ。放送が終わるまでに一度、見てみよう。
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