帯には「万城目ワールド10周年」とある。久々の長編。とてもドキドキして読んだ。「著者初の自伝的?」作品ともあるが、確かにそういう一面もある。こういうタッチで自分の内面を作品化するというのも、作家生活10年目の余裕かもしれない。大長編だった『とっぴんぱらりの風太郎』のラインによる新作。まぁ、万城目はいつもこのパターンなのだが。
こういう魔訶不思議ワールドで右往左往が、この人は大好きなのだ。今回はバベルの塔。そこからお話は一歩も出ない。まぁ、バベルといってもそこは祖父が残した5階建ての雑居ビルで、カラスが自在に住処としてうろうろしている、という寂れた場所だ。主人公はここでこのビルの管理人をしている作家志望の青年。彼が現実と妄想のはざまで、大冒険、というスタイル。ここから向こう側へと向かう。カラス女に導かれて、永遠に年を取らない少女(55年間10歳のまま)と出会い、もうひとつのバベルを旅する。25年前に死んだはずの祖父の陰謀を暴くといういつもの荒唐無稽。
人は夢というムダをどこまで追いかけていくのか。その先には何があるのか。一つの答えをちゃんと出してくれる。400ページ越えの長編だが、一気に読める。
こういう魔訶不思議ワールドで右往左往が、この人は大好きなのだ。今回はバベルの塔。そこからお話は一歩も出ない。まぁ、バベルといってもそこは祖父が残した5階建ての雑居ビルで、カラスが自在に住処としてうろうろしている、という寂れた場所だ。主人公はここでこのビルの管理人をしている作家志望の青年。彼が現実と妄想のはざまで、大冒険、というスタイル。ここから向こう側へと向かう。カラス女に導かれて、永遠に年を取らない少女(55年間10歳のまま)と出会い、もうひとつのバベルを旅する。25年前に死んだはずの祖父の陰謀を暴くといういつもの荒唐無稽。
人は夢というムダをどこまで追いかけていくのか。その先には何があるのか。一つの答えをちゃんと出してくれる。400ページ越えの長編だが、一気に読める。