
ソル・ギョングとハ・ジゥオンが主演する韓国発パニックスペクタクルである。プサンをメガ津波が襲うという単純な話だ。今時こんなクラシックな映画が作られたこと自体が驚きである。70年代に『大地震』『エアポート75』を皮切りにアメリカで盛んに作られたパニック映画は、日本にも派生して『日本沈没』という大ヒット作を生んだ。だが、その後飽きられて下火になる。やがて、CG全盛時代になり、安直に格安料金で凄いスペクタクルが可能になった。その結果『デイ・アフター・トゥモロー』を初めとして山のような駄作が量産された。もちろん、それにもさすがに飽きた。そんなところにこの映画である。
昨年韓国で1400万人の動員を記録したこの大作映画が日本に上陸しないのは、当然のことだと思われた。いくら大ヒットしたとしても、今時この手の映画は古すぎる。だいたい韓国でなぜこれがヒットしたのか、それすら理由はよくわからない。韓国映画界がこんな大作を作れるようになったということを誇示したかったのか。でも、それはないだろう。『シュリ』以降韓国映画の娯楽大作はアメリカ映画にひけを取らないことは誰もが知っていることだからだ。娯楽映画大作はいずれのお国でもつまらないものが多い。残念だが、この映画もその轍を踏む。ポン・ジュノの『グエムル』のような映画は普通ない。まぁ、ポン・ジュノが手がけたからあんな凄いものが生まれたのであって、他の人では不可能なのだ。
ここまで書いたところで、ようやくこの映画である。なんと、日本上陸が決定した。9月25日から全国一斉公開である。本当は一体どんな映画なのか、気になっていた。そこまで韓国でヒットした理由が知りたかったのだ。もしかしたらここにはこの手の映画の新機軸が隠されているのではないか、なんて淡い期待もした。
昔、この手の映画で『パーフェクト・ストーム』という大作があった。傑作『Uボ-ト』を撮ったドイツのフォルフガング・ペーターゼンがアメリカで作った津波で船が転覆する映画だ。あれはアイデアがよかった。あの大作は、パニックスペクタクルだからこそ敢えて狭い範囲に限定しなくてはどうしても大味な映画になるとペーターゼンは踏んだ。その作戦は当たった。だが、どう考えても今回の映画にはそういう小細工は不可能だ。では、どんな方法があるのか?
興味津々で、試写会に行く。結果からまず書くと、予想したとおり最悪だった。化石のような映画だった。今時これはない、と思う。70年代のノリでしかない。人間模様を描くなんて、ありえない。グランドホテル形式は『大空港』以降この手のパニック映画の定番だが、今では誰もしない。なのに、そんなクラシックな手を使う。水を使った特撮やCGは確かに凄いが、もう誰もどんな凄いものを見せられても驚かない時代だ。それはただの大前提でしかない。そこから何を描くのかが問題なのだ。旬を過ぎた2大スター競演では話題にもならない。だいたいソル・ギョングってただのおっさんだし。ということで、謎が残る。なぜ、韓国人はこれに熱狂したのだろうか? 僕にはわからない。
昨年韓国で1400万人の動員を記録したこの大作映画が日本に上陸しないのは、当然のことだと思われた。いくら大ヒットしたとしても、今時この手の映画は古すぎる。だいたい韓国でなぜこれがヒットしたのか、それすら理由はよくわからない。韓国映画界がこんな大作を作れるようになったということを誇示したかったのか。でも、それはないだろう。『シュリ』以降韓国映画の娯楽大作はアメリカ映画にひけを取らないことは誰もが知っていることだからだ。娯楽映画大作はいずれのお国でもつまらないものが多い。残念だが、この映画もその轍を踏む。ポン・ジュノの『グエムル』のような映画は普通ない。まぁ、ポン・ジュノが手がけたからあんな凄いものが生まれたのであって、他の人では不可能なのだ。
ここまで書いたところで、ようやくこの映画である。なんと、日本上陸が決定した。9月25日から全国一斉公開である。本当は一体どんな映画なのか、気になっていた。そこまで韓国でヒットした理由が知りたかったのだ。もしかしたらここにはこの手の映画の新機軸が隠されているのではないか、なんて淡い期待もした。
昔、この手の映画で『パーフェクト・ストーム』という大作があった。傑作『Uボ-ト』を撮ったドイツのフォルフガング・ペーターゼンがアメリカで作った津波で船が転覆する映画だ。あれはアイデアがよかった。あの大作は、パニックスペクタクルだからこそ敢えて狭い範囲に限定しなくてはどうしても大味な映画になるとペーターゼンは踏んだ。その作戦は当たった。だが、どう考えても今回の映画にはそういう小細工は不可能だ。では、どんな方法があるのか?
興味津々で、試写会に行く。結果からまず書くと、予想したとおり最悪だった。化石のような映画だった。今時これはない、と思う。70年代のノリでしかない。人間模様を描くなんて、ありえない。グランドホテル形式は『大空港』以降この手のパニック映画の定番だが、今では誰もしない。なのに、そんなクラシックな手を使う。水を使った特撮やCGは確かに凄いが、もう誰もどんな凄いものを見せられても驚かない時代だ。それはただの大前提でしかない。そこから何を描くのかが問題なのだ。旬を過ぎた2大スター競演では話題にもならない。だいたいソル・ギョングってただのおっさんだし。ということで、謎が残る。なぜ、韓国人はこれに熱狂したのだろうか? 僕にはわからない。