2時間10分に及ぶ大作である。永井愛による不条理なお役所仕事を描いたこの作品に劇団せすんは真正面から取り組んだ。東京郊外にある「かたり市」が、地域の活性化を目指した文化事業の一環として郷土愛をテーマにしたアートプロジェクトを実施する。そのために呼ばれた小さなイベント会社を興したばかりの女性が、文化財団と役所、実行委員会の面々の間に入って右往左往する姿を描く。
とても真面目に作ってあるけど、台本を舞台化するだけで手一杯で、ドラマとしてのメリハリがないから、見ていると、単調すぎて徐々に退屈する。ステレオタイプの人物が、ストーリーの表面を追いかけるだけで、この不条理とも言える対立の図式をなぞることしかできていない。だから、すべての人たちが敵になるラストの怖さも生きてこないのだ。終盤ドラマが加速していかなくてはならないのだが、相変わらず単調なまま。
それぞれがそれぞれの思惑を持ち、自分たちの勝手を押し通そうとする。諸悪の根元に見えた財団の天下り理事長だけでなく、一見とてもいい人に思えた人たちまでもが、結局は同じ穴の狢であるという終盤の展開まで、台本自体はよくできているだけに、この単調な見せ方ではあまりにもったいない。
とても真面目に作ってあるけど、台本を舞台化するだけで手一杯で、ドラマとしてのメリハリがないから、見ていると、単調すぎて徐々に退屈する。ステレオタイプの人物が、ストーリーの表面を追いかけるだけで、この不条理とも言える対立の図式をなぞることしかできていない。だから、すべての人たちが敵になるラストの怖さも生きてこないのだ。終盤ドラマが加速していかなくてはならないのだが、相変わらず単調なまま。
それぞれがそれぞれの思惑を持ち、自分たちの勝手を押し通そうとする。諸悪の根元に見えた財団の天下り理事長だけでなく、一見とてもいい人に思えた人たちまでもが、結局は同じ穴の狢であるという終盤の展開まで、台本自体はよくできているだけに、この単調な見せ方ではあまりにもったいない。