タイトルは『恋愛戯曲』。サブタイトルには『私と恋におちてください』とある。なんだか安っぽいし、そのまんまやんか。あまりの芸のなさに、反対になんか「特別な何か」を期待させられるほどだ。だが、あっけなくもその儚い期待は完璧に裏切られる。見事なまでに。なんでここまでわざとらしい作品にする必要があったのだろうか。コメディーだから、と片付けるのははばかられる。安易な手抜きとは考え難い。でも、本気で作っているとは夢にも思えない。構造をシンプルにすることで、ストレートにテーマが伝えられるとでも思ったのか。3流シチュエーションコメディーラブストーリー味という枠組みを通して、主人公2人が徐々に心を開いていく過程を描き、こことよい気分にするためなのか。それにしてもあの安易で陳腐な劇中劇はわざとにしてもあまりにわざとらしすぎて笑えない。
これは鴻上尚史による最新作だ。彼の映画はなぜか異常に評価が低い。演劇界での名声は、蜷川幸雄御大同様、映画界ではまるで、忘れられたかのような状態だ。誰も彼らの映画に言及すらしない。無視に近い。映画としてはまるで評価に値しないというのが、一般的な見方だ。どうしてこうなるのだろうか。
そりゃぁ、彼らの作る映画はB級作品で、作家としての一貫性もなく、たとえ鴻上、蜷川であろうとも(というか、彼らであるから余計に)映画としては、くだらない代物だ、と言われてもしかたないものばかりだ。だが、僕は2人の映画デビュー作である『ジュリエット・ゲーム』と『魔性の夏』が大好きだった。きっと衆目が期待したような大作ではなかっただろうけど、ちょっとしたチャーミングな映画で、今も忘れられない。
さて、今回の映画である。これも完全に埋もれるべき映画だ。公開された瞬間に世界中から忘れられるような小品である。今時こんな映画が劇場公開されるだけで、貴重なことだ。誰に向けて、何のために作ったのだろうか、それすらわからない。かつての売れっ子脚本家(深田恭子)とTV局の新米プロデューサー(椎名桔平)。新作ドラマの台本を書けない彼女となんとかして書かせようとする彼。この2人を主人公にしたシチュエーション・ラブ・コメディー。大体まるでリアルではない劇中劇とか最低だし、何のためにこんな映画を作ろうとしたのだろうか。それすらわからない。
これは鴻上の舞台の映画化らしい。まぁ、いかにも芝居でありがちな内容だ。登場人物は少ないし、舞台もマンションの一室から出ないし。でも、これを映画にしたなら反対に難しくなるのではないか。あまりに映像としての面白さに欠ける。では、お話で引っ張ることができたか、と言うとまるでダメ。世評もいつも通り最悪だったけど、本当は劇場で見るつもりで、予定していたのだが、例によってすぐ、上映回数が減り、公開が終了したから、DVDレンタルを待っていた。
たわいないラブストーリーを期待した。男と女が出会い、恋に落ちる。それがとても心地よい。これはそんな映画のはずだったのだ。
出会った瞬間から、密室で2人きりで過ごす。相手は美人の恋愛依存症の女。仕事とはいえこんなラッキーはない。でも、彼は真面目人間で、融通が利かない。時間までに台本は完成するのか。時間までに2人の恋愛はどう進展するのか。ありきたりで結構。気分良く酔わせてくれたなら。なのに、今回の鴻上尚史はどうしてしまったのだろうか。まるでこのお話に乗せてくれない。ここまでダメな映画を見たのは久しぶりのことだ。
これは鴻上尚史による最新作だ。彼の映画はなぜか異常に評価が低い。演劇界での名声は、蜷川幸雄御大同様、映画界ではまるで、忘れられたかのような状態だ。誰も彼らの映画に言及すらしない。無視に近い。映画としてはまるで評価に値しないというのが、一般的な見方だ。どうしてこうなるのだろうか。
そりゃぁ、彼らの作る映画はB級作品で、作家としての一貫性もなく、たとえ鴻上、蜷川であろうとも(というか、彼らであるから余計に)映画としては、くだらない代物だ、と言われてもしかたないものばかりだ。だが、僕は2人の映画デビュー作である『ジュリエット・ゲーム』と『魔性の夏』が大好きだった。きっと衆目が期待したような大作ではなかっただろうけど、ちょっとしたチャーミングな映画で、今も忘れられない。
さて、今回の映画である。これも完全に埋もれるべき映画だ。公開された瞬間に世界中から忘れられるような小品である。今時こんな映画が劇場公開されるだけで、貴重なことだ。誰に向けて、何のために作ったのだろうか、それすらわからない。かつての売れっ子脚本家(深田恭子)とTV局の新米プロデューサー(椎名桔平)。新作ドラマの台本を書けない彼女となんとかして書かせようとする彼。この2人を主人公にしたシチュエーション・ラブ・コメディー。大体まるでリアルではない劇中劇とか最低だし、何のためにこんな映画を作ろうとしたのだろうか。それすらわからない。
これは鴻上の舞台の映画化らしい。まぁ、いかにも芝居でありがちな内容だ。登場人物は少ないし、舞台もマンションの一室から出ないし。でも、これを映画にしたなら反対に難しくなるのではないか。あまりに映像としての面白さに欠ける。では、お話で引っ張ることができたか、と言うとまるでダメ。世評もいつも通り最悪だったけど、本当は劇場で見るつもりで、予定していたのだが、例によってすぐ、上映回数が減り、公開が終了したから、DVDレンタルを待っていた。
たわいないラブストーリーを期待した。男と女が出会い、恋に落ちる。それがとても心地よい。これはそんな映画のはずだったのだ。
出会った瞬間から、密室で2人きりで過ごす。相手は美人の恋愛依存症の女。仕事とはいえこんなラッキーはない。でも、彼は真面目人間で、融通が利かない。時間までに台本は完成するのか。時間までに2人の恋愛はどう進展するのか。ありきたりで結構。気分良く酔わせてくれたなら。なのに、今回の鴻上尚史はどうしてしまったのだろうか。まるでこのお話に乗せてくれない。ここまでダメな映画を見たのは久しぶりのことだ。