ミステリタッチのハートウォーミングである。大崎梢だから、大丈夫だと思う。先日読んだ宇佐美まことは残念だったけど、こちらは心配ない。と、読み進めるが、こちらもなかなかお話が進展しない。しかも前述の宇佐美作品同様、山奥での死体から始まって、なぜ彼が死んだのか、が究明される。100年前のかぞえ歌の謎。ある作家がやり残したこと。3人の男女が謎解きに挑む。
どちらかというと、ハートウォーミングではなく本格ミステリだ。得意じゃない。大崎梢なのに、彼女らしくない。だけど読み始めた以上最後まで読む。それにどうなるのか、先が気になる。
終盤まさかの展開になって本格探偵小説になる。(というか、最初からそんな感じだったけど)赤松邸での捜索なんて、横溝正史ミステリーである。運命の糸に導かれて100年前の少年の失踪事件の謎が明るみになる,という感じ。
確かに面白くはあったけど、やはりこれは僕のテリトリーではないな、とも思った。