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映画・演劇のレビュー

『オーシャンズ13』

2007-08-21 08:52:39 | 映画
 シリーズ第3弾。ソダーバーグはハリウッドのメジャー大作なのに、まるで趣味で作っているようにマニアックな描写で見せる。太いストーリーを「どどん」と見せるのではなく、小技ばかりで、チマチマ見せていくから、映画としては、全く弾まない。

 シーンも細切れで、何をやっているのやら、よく分からないような部分も多い。これだけのスターを集めて、こんなにもユルユルな映画をわざと撮ってしまうなんて、なんだか人柄が悪い。スターたちにも、それぞれ見せ場なんか用意しない。しかし、彼らはこの世界にいて、そのこと自体を楽しんでいる。まるで自主映画を見ている気分だ。

 そのくせ、贅沢にお金は使っている。これがオールスター大作であることに変わりはない。だが、マット・デイモンなんて、相変わらずのいじられキャラを与えられており、とても大スターとは思えない。ブラット・ピットも、このただ居るだけのような役を嫌がるでもなく、ニヤニヤしながら楽しんでいる。もちろんジョージ・クルーニーは、主役なのにまるで見せ場もない。

 反対にゲスト・スターのアル・パチーノが嬉々として悪役のホテル王を、とても憎憎しげに演じて、目立っている。エレン・バーキンもノリノリである。

 この映画は実は観客よりも、俳優のほうが楽しそうで、なんかそれってちょっとムカツク。まぁ、ソダーバーグ以下、スタッフ、キャストは確信犯なのだから、諦めるしかないのだが。

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