幼なじみとの24年に及ぶ恋愛。彼女はソウルからカナダに移住。別々の場所で大人になり、ネットでの再会。そしてニューヨークでの実際の再会までが描かれる。
このドラマチックな話をドキュメンタリーのように描いていく。12歳の別れ。24歳の偶然の再会はリアルではなくパソコン通信での会話に止まり、別れてしまう。さらに12年が経ち、彼はニューヨークまで会いにいく。ソウルから13時間。飛行機に乗ればアメリカには誰でも行ける。
だが、彼は24年、そこまでにかかった。長い歳月を隔てた再会のために飛行機に乗る。映画の後半は別々の人生を歩んできたふたりのニューヨーク街歩き。たった2日間の観光。何を話したらいいか、わからない。あまりに長い空白。ずっと好きだったけど、それが果たして持続したのか。ある種の幻想でしかないのか。会うこともなく、それぞれの人生を歩む。彼女は7年前に結婚している。自分も長く付き合っていた彼女がいたが、別れた。だから、とはいってもそれだけじゃない。だいたい会ったからといって何ができるわけでもない。したいわけでもない。たった2日。2度のデート。2日目は彼女の夫も一緒になる。ドラマチックな展開はない。
3部構成だがお話の中心はもちろんラストのニューヨーク行きのドキュメント。まるで観光映画みたいに街を歩いて、たわいない会話を交わす。そして別れていく。なのにこんなにも切なくて、寂しくて、ほっとする。