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映画・演劇のレビュー

『男はつらいよ 奮闘篇』

2020-05-17 12:06:12 | 映画

毎週土曜日の夕方、BSで寅さんを見ている。コロナの影響で家にいることが多いからこんな時間でも大丈夫なのだ。デジタルリマスター版の映像は見事で、こんなにきれいな画像で『男はつらいよ』を毎週見ることができるだなんて、幸せだ。この3月に『みんなの寅さん』を同じように毎日読んでいたのと並行して、これを毎週見るというのもなんだか運命みたいで、この7作目まで欠かさず見てきた。

今回ここまでを再見して、第1作は別格としてここまでの最高作は『望郷篇』だった。あの作品で寅さんはとりあえず完結したのだ、ということがよくわかった。それと同時に寅さんの初期パターンが確立したのだ、ということもよくわかった。あの第5作から今日見た7作目までの3作品で徐々に洗練されてきていることがよくわかる。

昨年末、待望の第50作であり、25年ぶりの新作である『お帰り寅さん』を見て、なぜか正月にたまたまTVでオンエアされていたのでシリーズ最高傑作である『寅次郎相合傘』を見る機会を得て、さらにはあの大部の書籍である『みんなの寅さん』を読んで、改めてあれだけ熱狂した『男はつらいよ』を再見する機会を持てたことをうれしく思う。

僕は14作目からリアルタイムで劇場で見ているけど、それ以前の作品はバラバラにしか見てなかったので、今回のように順を追って見ると新鮮だし、新しい発見や確認が多々できるのもいい。

山田洋次は監督しなかった2作品はまるでそれ以外の作品とテイストが違うこともよくわかった。森崎東による『フーテンの寅』は別の意味で面白かったが、やはり山田洋次の世界ではない。

初期作品の特徴は少し暴力的で、そのくせあっさりしている。まだ渥美清も若かったことも影響しているのかもしれない。90分ほどの上映時間にちゃんと収まり、無理がない。

ただ、7作目まで見て、すこし飽きてきた。昔の映画を見ることは悪くはないけど、やはり新しい映画を見たい。


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