
なにも数ある映画の中からこの映画を選ばなくともいいじゃないか、と言われそうなくらいにバカバカしい映画をわざわざ劇場に見に行く。でも、こういう映画はできるだけ大きなスクリーンで見るべきだと思う。DCの新作。『ジャスティス・リーグ』にも登場していたアクアマンの単独主演映画。1昨年の『ワンダーウーマン』もそうだったけど、群れになって戦うヒーローものより、そのヒーローの世界観が反映される独立した作品のほうがおもしろい。しかも、できるなら、あまり強くないほうが楽しい映画になる可能性は高い。(まぁ、このアクアマンはかなり強いけど)
さて、今回の作品なのだが、ノーテンキで、楽しい。実に単純なストーリーなのだが、それをうまく生かして話を展開していくのがうまい。しかも、海底での戦いという基本フォーマットを最大限に生かす。バトルシーンの8割が海底で、残り2割が地上というバランスもいい。思う存分海底でのバトルを楽しみながらも、地上でもしっかり戦い飽きさせない。しかも、こんなにバトルシーン満載なのに飽きささない。
バリエーションがうまいし、お話の組み立て方が巧妙なのだ。マーベルの映画よりも、ストーリーの組み立てが緻密で、でも、お話は単純、というところがいい。家族愛や、姫とヒーローの恋愛や冒険、王位継承を巡る兄弟の確執、あれこれとパターンだけど、(だからそれが効果的!)本当にうまい。予想を大きく上回る出来に満足した。2時間23分の長尺なのにダレない。長い分だけ得した気分だ。改めて、バカにせずにこういう気合の入った王道の映画は見るべきだ、と思う。ジェームス・ワン渾身の一作。
きのうに「アリータ」を見てきましたが、個人的にはこちらの方が面白かったです。