万城目学の『鴨川ホルモー』を読むのも、かなり遅れた。なんだか、食指がそそられなかったのだ。どうしても僕には、彼は森見登美彦のばったもん、というイメージがまとわりつく。そんなのは勝手な妄想でしかないのだが、そのイメージのせいで、食わず嫌いになってしまっていた。でも、『鴨川ホルモー』を読んで当然その偏見は払拭した。だからそれから彼の新刊は全部読んでいる。なのに、なぜだか彼の出世作でもあるこの小説だけは今まで読んでいなかった。別にわざと避けていたわけではないのだけど。これがTV化されたことも影響したかもしれない。ブームに乗って読むのは苦手だ。(まぁ、そんなことって、どうでもいい話のはずなのだが)
そんなこんなで、この度ようやく読む機会に恵まれた。よかった、よかった。
前半はかなりおもしろくて、これは!と期待が高まったが、終盤失速する。惜しい。彼はどうしてもストーリーテラーの域を出ない。小説がお話にとどまる限りは、その作品は傑作にはならない。そこが彼と森見の違いだ。鹿がしゃべるなんていうとんでもないことをきっかけにして、スケールの大きな話が展開していくこととなるのだが、1800年のスケールが結局の所、この小説をつまらないものにしたのかもしれない。大和杯を巡る話になったところから急速につまらなくなる。サンカクがどうしたこうしたなんか、どうでもいい話に思える。せっかくの現代版『坊ちゃん』じゃないか。こんなにも楽しみながら読んでたのに、残念だ。なんだか不機嫌な気になる生徒である堀田(マイカーではなく「マイ鹿」に乗って通学してきた、という出会いの話がインパクト強い)と、しゃべる鹿と、産休講師で赴任してきたオレとの学園ものではだめなのか? それだけで充分おもしろい話になったと思うのだが。
それにしてもこの異常な話が連続TVドラマになってゴールデンタイムに放映されていたとは、驚く。一体どんな感じのドラマだったんだろう。主人公は玉木宏と多部未華子らしい。マドンナは綾瀬はるか、で。なんとも想像がつかない。(機会があればぜひ見たい)
そんなこんなで、この度ようやく読む機会に恵まれた。よかった、よかった。
前半はかなりおもしろくて、これは!と期待が高まったが、終盤失速する。惜しい。彼はどうしてもストーリーテラーの域を出ない。小説がお話にとどまる限りは、その作品は傑作にはならない。そこが彼と森見の違いだ。鹿がしゃべるなんていうとんでもないことをきっかけにして、スケールの大きな話が展開していくこととなるのだが、1800年のスケールが結局の所、この小説をつまらないものにしたのかもしれない。大和杯を巡る話になったところから急速につまらなくなる。サンカクがどうしたこうしたなんか、どうでもいい話に思える。せっかくの現代版『坊ちゃん』じゃないか。こんなにも楽しみながら読んでたのに、残念だ。なんだか不機嫌な気になる生徒である堀田(マイカーではなく「マイ鹿」に乗って通学してきた、という出会いの話がインパクト強い)と、しゃべる鹿と、産休講師で赴任してきたオレとの学園ものではだめなのか? それだけで充分おもしろい話になったと思うのだが。
それにしてもこの異常な話が連続TVドラマになってゴールデンタイムに放映されていたとは、驚く。一体どんな感じのドラマだったんだろう。主人公は玉木宏と多部未華子らしい。マドンナは綾瀬はるか、で。なんとも想像がつかない。(機会があればぜひ見たい)