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映画・演劇のレビュー

『暗殺教室』

2015-03-31 21:43:15 | 映画
久しぶりに映画を見て、金返せ! という気分になった。つまらない映画は多々あるけど、そういうのは最初からわかっているから見ない。もちろん、つまらないだろうと、承知していても見たい映画もあるから、そういうのは別に腹は立たない。問題はおもしろいはず、と思っていたのに、残念な映画だった場合である。この映画のように。監督は『海猿』シリーズの羽住英一郎なので、安心して見ていられると思った。しかも、このバカバカしい設定。予告編を見た時にはかなり期待できるのではないかと踏んだのだが、ここまでハズされるなんて思いもしない。いろんな映画がある。

一応これもアイドルを使った学園モノの一種なのだろうが、設定の奇抜さと悪ふざけとしか言いようのないバカバカしさ。それを上手くコントロール出来たなら、笑える映画になったはずだ。CGで作った黄色いバケモノの造形は悪ふざけとしか言いようのないものだ。やりすぎだが、その突き抜けたところがいい、と思った。あの宇宙人と、落ちこぼれ中学生たちの攻防を描く。黄色い宇宙人が彼らのクラスの担任になり、彼を殺したなら、地球が救われる、という話。なんだ、それ。そこで、子供たちは彼を「殺センセ」と名付ける。

お話がまるで進展しない。殺センセと子供たちとの(一方的な)殺し合いを描くのだが、そこからお互いに友情のようなものが生まれてくる。それって何なのか。描くべきものはそこからだ。

だが、この映画もまた、お話のプロローグだけで、終わる。最近こういうタイプの映画が多い。これは詐欺行為だ。いくら原作のマンガがまだ完結してなかったとしても(たぶん)、映画は1本でちゃんと独立性を保って欲しい。TVじゃないのだから、わざわざ劇場のまで足を運んだのに、しかも、『ソロモンの偽証』のように最初から告知してくれたなら、まだ覚悟したけど、この映画はそんなこと一切おくびにも出さないで、いきなり「続く」である。そんなところで終わらないでよ、それはありえません。

こういう安易な映画を平気で量産して、すぐにTV放映するのがTV局(これはフジテレビ)の陰謀で、それになんの疑いも抱かずに乗せられるのが、現代の観客なら、映画はきっと滅びるだろう。まぁ、ちゃんとした映画にはもう誰も客はほとんど来ないというのが現状だから、今更そんな事を言っても仕方ないのだけど。


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