
なんと大胆なタイトルだろうか。当たり前のことだけど、そう言い切る姿勢がいい。これは今年92歳を迎えた詩人のベストエッセイ集である。もう若い人と同じようにいろんなことができるわけじゃない。だけどこの年齢でもできることはある。
これは同じく詩人であり翻訳家であり谷川俊太郎の研究者である田原(ティエンユアン)が編集したアンソロジーである。
谷川俊太郎の若き日のエッセイから最新のものまで選りすぐり網羅した。気恥ずかしいものもある。あまりにストレートすぎて。若さゆえ。だけどそれは眩しいし、本質を射抜く。25歳の谷川が書いた『世界へ!』というエッセイを読む。彼が何を求めて詩を書くのかが明確に伝わってくる。若い彼の怒り、苛立ち、世界への想いが横溢している。
それにしてもいいタイトルだ。からだに従う。無理することなく自由自在の92歳。憧れる。