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映画・演劇のレビュー

清水晴木『天国映画館』

2024-12-20 00:17:00 | その他
天国にやって来た死者がここで自分の人生を描いた映画を見ることで新しい世界に旅立つことが出来るという設定。天国映画館は単館系のミニシアター。ここの支配人である秋山のもとで見習いをすることになった青年、小野田くんの物語。

5話からなる。記憶を失った彼がここでの触れ合いを通して無くしたものを取り戻すまでのお話。各話には映画のタイトルがつけられている。もちろんその映画にまつわるエピソードも。取り上げた作品は『ビック・フィッシュ』『海がきこえる』(ではなく、これは『シチリアシチリア』)『わが母の記』『リトル・ダンサー』(この2本はタイトルだけで映画には触れない)、そして最後は『ニュー・シネマ・パラダイス』の5本。天国ものはよくあるが映画館が舞台というのは楽しい。もう少し取り上げた映画との関係が緊密に描かれていたらもっと興味深いのだが。

感動のエピローグまで、映画はエンドロールの後にも続くという最近のよくあるパターンを踏む。読みやすいし、あっという間に読み終えることができる。

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