とうとう春がきて、同居人御難の日。
保護者が電話で聞いている。
「もう17ですし、だいぶ体力もね… まだ注射しなくちゃいけないでしょうか?」
『こちらは何とも言えません。規則ですから… 先生に相談したらいかがですか?』
おい! あくびしてる場合じゃないよ 君のことだよ。どうする?
つぎに、かかりつけ医院に尋ねた。
「18年目に入りましてね、元気なんですが、いつもうちの中だけで… 注射どうでしょうか。…かわいそうな気もしましてね」 とラグに目をくれる。
寝ていた同居人は、だいぶ白くなった目をあけた。なんとなく力よわくみえる。
いろいろ説明し、やがて
『もう受けなくてもいいと思いますよ』 やった!よかった…
喜ぶラグビー、スキップしてる。
『…でも、5月に健康診断受けてくださいよ』
毎年はがきがくる。
『成人病・糖尿病・高血圧・ガン・腎臓・肝臓病・・予防のお知らせ 年に一度 ぜひドック検診を!』
ここまで読んで、とうぜん保護者のことかと思った。
○○動物病院!
びっくりして、大笑いになった。
ドッグ・ドックを受けたことはないが ラグビーはきょうも元気である。人なら100歳近い。頭はしっかりしている。耳がすこし遠く視力も落ちた、声は大きく食欲旺盛。自慢の嗅覚もこころもとないが文句ひとつ言わない。狂犬? 猫もおなじくらい大きいのがいる。にらまれて目をそらすのはラグビーだ。