大寒やなだれて胸にひびく曲 波郷
土手のうえから富士がよく見える。 手前の林も畦もカラカラだ。
寒冷な空気がテニスボールの快音や、 遠くの話し声をこちらまで運んでくる。
しばらくは かじかむ心を温めて冬の詩を楽しみたい。
雪嶺がブルーの 巨大なスクリーンに浮かぶようにみえた。
颯爽として 堂々として 冬の調べを奏でている。
耳を澄まし 心鎮めていつまでも聴いた。
冬だ、 冬だ、 何処もかも冬だ
見わたすかぎり冬だ
ふたたび僕に会ひに来た硬骨な冬
冬よ、冬よ
…
大きな公孫樹の木を丸坊主にした冬
きらきらと星の頭を削り出した冬
秩父、箱根、それよりもでかい富士の山を張り飛ばしてきた来た冬…
高村光太郎 冬の詩 (抜粋)
大雪に見舞われる方もあるというのに
こちらは先月22日に降ったきりで きょうまで一滴も降らない
蛙の雨乞い とどきますように (今朝の気温 -4.1℃)