ふたりで義母を訪ねたあと 冬枯れの公園を歩きたくなった
寄り道をして 気持ちを整えよう
冬の雑木林… 多彩な色は使わなくても 枯れ色の濃淡や 色調の微妙なちがいに心を奪われる。 静かにいのちはつづいている。
ここで あかね色のマンサクに初めて遇った。 金縷梅マンサクと書くだけあって黄花が多い。 「縷」ルを調べると 麻糸、絹糸など糸の総称。 糸 とある。
公園に何本もあるなかのただ一株だけ朱い。 家のは濃いピンクだし。
暮れなづむ園内で赤は寂びて辰砂色にみえる。 古雅な趣のあるいろ、 やきものに映えるそのいろにおなじだった。
まんさくやかへりみて誰も居らぬ路 春一
寒い公園に人影はない。
金の糸にふさわしい
和毛をひからせていた猫柳
仔猫の肌が透けている きょうは特にいとおしい
猫好きな義妹と 弟にも見せてあげたい
手術もうまくゆきますように……