人、死を憎まば、生(シヤウ)を愛すべし。
存命の喜び、
日々に楽しまざらんや。 徒然草 第九十三段
今こそ こころにしみる兼好さんのことば。 しずかに息をひそめて問いかける。
これまで、 何度も出会ってきたこのことばに、 こころから頷いた。
大震災、原発事故に戸惑い、悲嘆する日々、 胸の奥深くにひびく言葉だ。
兼好さんを、見ぬ世の友としてきた清川先生が、 体験をまじえて分かりやすく教えてくれる。 そんな 生きかた読本! は、エッセイとしてもすてきだった。 流れるような文章でエピソードも胸を打った。
蛙も 命あるかぎり
生きて、生きることを楽しみ、愛し、まっすぐに生きぬき、生きこむ…
(兼好さんの遺言 清川 妙著 小学館)
生きる力が湧いてくる。 兼好さんと清川先生…
おふたりの加勢があれば百人力だ。
老いて智(チ)の若きにまされる事、若くして貌(カタチ)の老いたるにまされるがごとし。
年を重ねてくると、その知恵は若い時よりまさる。それは、若い時にはその容貌が老人にくらべてまさっているのと、おなじことなのだ…
鏡を覗いて嘆いていたが、力強い励ましに きょうもいそいそと本を開く。
遠のいた美術館へも行こう。 心を豊かにして 元気になろう!