遊歩道の藤袴 キク科
なに人か来てぬぎかけし藤ばかま くる秋ごとにのべをにほはす
としゆきの朝臣
どんな人か来て 脱いで掛けていった上着… 藤袴にふわりとかけていったから 毎年 野辺を匂わせているのね。 薫香をたしなむような 身分の高い男性でしょう
ふいに訪れる ほのかな香りは
やどりせし人のかたみかふぢばかま わすられがたき香ににほひつつ 貫之
ぬししらぬ香こそにほへれ秋の野に たがぬぎかけしふぢばかまぞも 素性
香りは葉を干すと生じ 桜餅の香り。 平安時代 茎や葉を乾燥させたものを水につけて髪を洗ったようだ。 (花おりおり)
花を揉んで嗅いでみると かすかに桜の葉の塩漬けの匂いがした。
クマリンという香りの成分。
藤袴… 香草 ・ 香水蘭とも。 古くは 「あららぎ」という
古歌に 蘭(らに)というのは藤袴である (山本健吉)
防虫剤や芳香剤、お茶などにも 利用された と
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再び瑛九展へ 感想を10/30のところに追記しました