奈良県天理市柳本、 こころの風景をじかに見たいと長岳寺まで。 夜行バスで毎年ヒアシンスハウスへいらっしゃる疋田さんが近くにお住まいだ。 今はお引っ越しされたでしょうか。
山の辺の道… 気温32℃の秋ともいえない暑さのなか、大汗だくだくで歩いた。 あきつが群れ稲穂が重そうに垂れている。 至るところに葛の花、 白いヒヨドリ花、コスモス、 ヒガンバナは咲いたのよりも蕾多し、 花韮に露草のいろどり。 蜜柑がたわわに。
ホテル日航奈良からJR奈良駅は目の前でべんりだ。 APEC観光相会合の会場になっているらしい、 話し合いが好転しますように。
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奈良駅 9:02発
車中より高さ32mの大鳥居を仰ぎ見て三輪駅着 9:35 大神神社
・二の鳥居から拝殿まで 清められた玉砂利をすすむ。 序奏のはじまり、 鬱蒼とした木々、 葉擦れの音、 掃き清めるひと。
・許可をもらい案内により 拝殿奧正面へ向かう。 拝殿と禁足地(神体山のうち特に神聖な場所)とを区切るところに三ツ鳥居(明神型鳥居を三つ組み合わせてある)。 ななめからご神体の三輪山を拝む。
霊気を感じて身も心も引き締まる。 三ツ鳥居の左右に長さ16間の瑞垣ミズガキ、 木彫りの欄間がはめ込まれている。
狭井神社 ・薬井戸の御神水は万病に効く。 多くの方がいただいて帰る。 ダラダラ坂を下り狭井川を過ぎると、 人家もなく寂しい道だ。 藪かげからモンキチョウが踊り出て、 まえを横切った。 黒地に白い紋をはじめて見る。
玄賓庵着 10:50 玄賓僧都が隠棲したと伝わる。 玄賓像はきのう興福寺宝物館でみてきた。 主がホラ貝でお出迎え、 まだ練習中という。 尋ねると、 譜面はなくて強弱や長さ、高低でメロディーのようなものができるらしい。 道々遠くから聞こえていたのは、 ここからであった。 風にのるホラ貝の音が、 芙蓉のうすい花びらを揺らした。
まだ青い柿の実、栗、 みかん山、 無人の店で100円入れてスダチを買った。 里芋、小芋、 赤唐辛子、花など売っている。 蒸し暑い、 ふだん、 これほど汗をかくことはない。
万葉歌碑が点在する。 額田王の
味酒ウマサケ 三輪の山 あをによし 奈良の山の 山の際マに い隠るまで 道の隈クマ い積もるまでに つばらにも 見つつ行かむを…
十市皇女の薨コウぜし時に…
三輪山の真麻マソ木綿ユフ短か木綿かくのみ故に長くと思ひき (万2-157)
高市皇子の挽歌だ
巻向の山辺ヤマヘ響トヨみて行く水の水沫の如し世の人吾等ワレは
柿本人麻呂(7-1269)
流れの水にうかぶ、 はかない泡のように消えてしまうこの世の人間よ…
万葉を学んできて味わいも深まっている、 うれしい。
(元伊勢) 檜原神社 ・大神神社の摂社、 正面に二上山がかすんでいる。 大津皇子の死を悼み詠んだ 大伯皇女の挽歌がある。
うつそみの人にある我れや明日よりは二上山を弟背イロセと我れ見む
山にラクダの背のようなふたつの瘤、 その右側の雄岳山頂に皇子のお墓があるそうだ。
整備し平坦なところもあれば岩盤が露出したり、 迷って引き返すなどロスもあった。 葎と畑、果樹林がつづく。 ひとに逢うのも稀で、 猛暑に歩く物ずきはすくない。 空きをねらって出かけてきたのだった。
景行天皇陵、 崇神天皇陵、 いったん国道に出て食堂で奈良蕎麦の昼食。 長岳寺到着13:30。 本堂で秋季彼岸法会が始まるところ。 檀家さんが集まってくる。
見どころ多く、 ずいぶん撮した。
トレイルセンター青垣13:30 休憩後 柳本駅へ向かう。 静かな町並み。 道路の照りかえしが 暑い! 蕎麦の花が咲いている 15:47発 奈良駅へ。 NETで調べたとおりの時刻、 事前の行程表に沿っている。 石上神宮は またの機会に
大神社から出発なさっての歩きは相当な健脚ですね。「雲だにも心あらなむ」と何度も振り返り大和に別れを告げて近江の宮に向った額田王の目に刻んだ三輪山、私はまだ拝殿には詣でていないのです。お山がご神体だからなどと通過の度に車中から拝んでいました。最近はパワースポットと騒がれていますが、弟も何か厳かな気配に身が引き締まったといっていました。
最初の写真、一瞬何の木かしらと思いました。露草のイメージもこう雪崩れ落ちる壮観ははじめてです。
昨年5月、石上に詣でた折も、山辺道の標識を目にしても昔のように歩こうとは思いませんでした。蛙さんも今のうちですね。
禁足地からの風は、厳かで神秘な気配、力をいただくような…
神職から「どうぞ深呼吸…」と うながされて、神聖な空気を体内にいただく、国造りの神様と同じ空気を吸ったのです。今後も生活全般お守りくださるそうです。
切り通しのような場所で見あげる高さに、露草の雪崩がみられます。気づかないで、快晴なのにカメラの設定はずっと曇りのまま。良い写真はなかなか撮れません。
はい、今のうちです。息が続きません。