ほのかにほのかに音色ぞ揺る。
かすかにひそかににほひぞ鳴る。
しみらに列立つ(ナミタツ)わかき白楊(ポピユラ)、
その葉のくらみにこころ顫ふ。
…
吐息のをののき、君が眼ざし
やはらかに縺(モツ)れてたゆたふとき、
光のひとすぢ--顫ふ白楊
文月の香炉に濡れてけぶる。
… 北原白秋 月の出より抜粋
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お返しは香炉 粋な友である。
表をふっくらと玉羊歯がつつむ
スティックやら円錐形の お香をたのしんだ
ほのかに… かすかに、そして ひそかに…
源氏も「富士の峰よりもけに、くゆり満ち出でたるは、本意なきわざなり」
どこから薫ってくるのか、わからぬようにたくのが良い… と。
富士の山頂よりもひどく煙が立つとは、なんとオーバーな。
でも、香水にもいえること。