心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

心の赴くままに私も新学期

2023-04-12 10:53:42 | Weblog

 庭のあちらこちらで草花が花開く季節を迎えました。長かった冬を堪えたクレマチスも、やっと咲いてくれました。このあと紫、ピンクの花が楽しめます。この季節になると心も晴れやかになります。
 きょうはモーツアルトのクラリネット協奏曲を聴きながらのブログ更新です。この時期によく聴く曲ですが、昔はこの曲を聴きながら京都の鴨川べりを散策したことがありました。そうそう、先日、孫次男君のピアノ発表会がありました。長女一家と爺さん婆さんで出かけましたが、ふだんは友達と遊んだりゲームに興じたりしている孫君が、壇上でスタインウェイのピアノを弾いている姿は何とも微笑ましいものでした。爺バカの独り言です(笑)
 さて、昨日は珍しく国立文楽劇場の4月公演に出かけてきました。3部に分かれていて、私が観たのは第1部の「妹背山婦女庭訓」の初段と二段。午前10時30分から昼食休憩(30分)を挟んで午後2時25分まで続きました。
 文楽は、物語を語る「太夫」と三味線を弾く「三味線弾き」、そして人形を動かす「人形遣い」が織りなす大阪育ちの伝統芸能です。幕があがると黒頭巾をかぶった黒衣が右端に登場し、拍子木を打って、演じる段の名前そして太夫と三味線弾きを紹介します。そこで観客席から大きな拍手。ホールに響く拍子木と三味線の音に自然と心が昂ります。
   舞台は場面ごとに、初段は「大序 大内の段」「小松原の段」「蝦夷子館の段」、二段は「猿沢池の段」「鹿殺しの段」「掛乞の段」「万歳の段」「芝六忠義の段」に分かれていて、なにらや紙芝居を観ているよう。私のような素人にはシナリオのすべてが分かっているわけではありませんが、人の「情」「心」を表現する人形の仕草、熱を帯びた太夫の謳いに、知らず知らずのうちに引き込まれていきます。素晴らしい舞台でした。
 ことし公益財団法人文楽協会は創立60周年を迎えるのだそうです。太夫、三味線弾き、人形遣いの中には30代から40代の方の姿も見えました。10年ほど前でしょうか、大阪市の伝統芸能への補助金の在り方をめぐり支給をいったん凍結するという騒ぎがありました。その後、交付条件の見直しを進めて結着したようですが、それを契機に文楽協会も新たな独自の道を歩み出しています。数日前に大阪市長選が行われた直後でもあり感慨深いものがあります。今後に期待したいと思います。

 話題はがらりと変わります。先日、天満橋のジュンク堂書店でNHKのラジオテキスト「鈴木大拙 願行に生きる~その生涯と西田幾多郎との交遊(上)」を買って帰りました。以前から気になっていたお二人ですので、この際、じっくりとお勉強をしてみようと思っています。
 何百年にも及んだ江戸時代から近代国家をめざす明治に変わる時代です。元年を境に昨日と今日で社会ががらりと変わるわけでもないのでしょうが、満を持して時代精神が大きく動いていく様を思います。朝ドラの「らんまん」も、こうした時代の大きな流れを背景に進んでいます。私は時代の変化と人の心の在り様に関心があります。男性が丁髷を切り、女性が鉄漿をやめる。どっと押し寄せる外国の文化をどう受け入れていったのか。
 一方で、時代の激変を経て、なお文楽、能楽など伝統文化が生き続ける。この絶妙な「綾」が私の心を惹きつけます。時間はたっぷりあります。念願の晴耕雨読とまでは行きませんが見つめ考えていきたいと思っています。この機会に鈴木大拙の講演CD2枚(「最も東洋的なもの」「禅と科学」)を買い求めました。といってもヤフオクです。昨日、落札できました(笑)。
 さてさて、明日はNPOの仕事、そして明後日から一泊二日で四国遍路ツアーに出かけます。今回は第16番札所の恩山寺から23番薬王寺まで。これで阿波の国の巡礼は終わります。..........ここまで書き終えて、きょうは久しぶりに雨が降ってきました。

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