きのうは大阪で、本日をもってご退職になるお三人からご挨拶をいただきました。そのうちの1人は、私と同期に入社した方ですが、少し横道に逸れての入社だったので、私と年齢差がありました。お久しぶりにお会いして、最初に思ったのは「歳をとったなあ」ということでした。つぎの瞬間、そのことは私にも言えることだろうと。これからはボランティアや趣味に生きるという65歳の「青年」は決して休むことを知りません。もうひと方は、30年近く温かい心をもってお客様に接していただきました。定年を前にしたご退職ではあるけれど、彼女はもっと大きな仕事ができる方。エールを送りました。そしてもうひと方、1年間だけでしたが私をサポートいただいた方、...と、帰宅途上の電車の中で思いながら、なにやらわけのわからない淋しさのようなものが込み上げてくるから不思議です。
そんな複雑な心に満たされた休日の朝の雨、いやですねえ。これまでも多くの方々を送り出してきたけれど、私も遠からず、ということです。
あすは所用のため職場にでかけなければならないので、この雨の土曜休日は、ヘンデルのオペラ「リナルド」を部屋中に響かせながらブログ更新をしています。なぜ、リナルドかって?実は先日、BSテレビで深夜放映していたのですが録画するのを忘れてしまいました、という単純なことです。いつまでたっても幼稚性が消えません。
「リナルド」の名前は知らなくても、アリア「私を泣かせてください」をご存じの方は多いのではないでしょうか。最近は、サラ・ブライトマンも歌っています。オペラ自体は、十字軍の勇士リナルドと将軍ゴッフレードの娘アルミレーナの愛、それを邪魔する敵方(エルサレム)のダマスカス女王の魔女アルミーダの悪戯にまつわるものです。極めて単純なシナリオですが、なんとなくひと息つくことができます。世の中があまりにも複雑だから、いや徒に複雑にしてしまっている世の中だからなんでしょうか。でも、このCD、3枚組ですから、最後まで聴くと5時間もかかってしまいます。きょうは雨なんだし、何にも考えずに、ぼんやりと聞き流すことにいたしましょう。
ところで、広島併任になって1年が経過します。歳時記のなかに「山笑う」という言葉がありますが、春になると山の樹々が芽吹き、花も咲き始め、明るく生気に満ちた感じになってくる、その山の様子を擬人的に表現したもののようです。ちょうど1年前、初めて広島の宿舎で目覚めた朝、目の前に見えた山肌がまさにそのような風景でした。
そうそう、先日は窓際で鳴く小鳥の大きな声で目が覚めました。姿を確認はできなかったけれど、職場に向かう途中、黒っぽい小柄な小鳥さんが木の枝にとまって鳴いていました。春を迎えて小鳥たちも身体全身で喜びを表現しているのでしょう。
既に動いている組織を別の角度から眺めていくことのシンドサ。孤軍奮闘と言えば恰好良いのですが、決してそんなものではありません。私自身もたくさんの気づきをいただきました。でも、一人ひとりの心に新しい灯を点すことができれば、私の役目は終わったも同然です。あと一歩です。もうひと頑張りしますか。