暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものです。お彼岸を過ぎると朝のお散歩も気分爽快、何となく肌寒ささえ感じる気持ち良い汗をかきました。
ところで、先日、上の歯の詰物がぽろりと外れました。ずいぶん前に職場近くの歯医者さんで治療してもらって以来ですから、よく保ったものです。さっそく近所の歯医者さんに行きました。診察室では若い女医さんが待っていました。80歳近い院長さんはリタイアされたようです。先生は、なんと長女の同級生でした。なんとなく子供の頃の面影がありますが、丁寧な治療は父親譲りです。ほっこりした1日でした。巡り巡ってこの世は、いつの間にか私たちの子供世代が支えています。
2週にわたって3連休が続いた今週は、珍しく演劇と落語を楽しみました。
そのひとつは、豊岡演劇祭2024参加作品/読売テレビプロデュース「MOONLIGHT SERENADO~リーディング劇 ムーンライト・セレナーデを聴きながら」(作/演出 岡本浩一、共同演出/平田オリザ)です。ふだんあまり演劇を観劇することはないのですが、平田オリザさん演出ということで出かけました。
読売テレビの朝番組「す・またん」の立田恭三アナウンサーやお天気予報キャスターの蓬莱大介さんが出るというので、ややミーハー的な思いもありましたが、お話しそのものは、勉強に嫌気がさした高校生がジャズ「ムーンライト・セレナーデ」を聴くとなぜか80数年前、特高が睨みを効かせていた頃にタイムスリップして、反戦を説く出石出身の政治家・斎藤隆夫にまつわるお話しでした。
日本の現代演劇を牽引してきた劇作家・平田オリザさんが、自ら主宰する劇団「青年団」を東京から兵庫県豊岡市に拠点を移したのは5年前のことです。若き演劇人を育てつつ、世界最大の国際演劇祭の実現をめざしていますが、この「ムーンライト・セレナーデを聴きながら」は、豊岡演劇祭2024演劇祭の一環として出石永楽館でも上演されました。
豊岡といえば「コウノトリの郷公園」や出石蕎麦ぐらいしか思い浮かびませんが、全国から演劇を学ぶ(楽しむ)若者たちが集まっています。素晴らしいことです。機会を見つけて、泊まり込みで演劇を楽しみたいと思っています。
一昨日の夜には、ナカノシマ大学の関連で「天神寄席9月席」(大阪天満の繁昌亭)に出かけました。テーマは「秋の夜長の船づくし」。お目当ては「帆神」を書いた小説家・玉岡かおるさんです。髙橋幸次さん、桂春若さんとの鼎談という形でご登場でしたが、次から次へと長編歴史小説を発表する玉岡さんのエネルギッシュな生き仕方に、ついつい聴き入ってしまいました。
玉岡さんに初めてお目にかかったのは、ずいぶん前のことです。地元の電鉄会社の百周年記念シンポジウムで、名だたる経済界の男性お歴々の中で紅一点。物おじひとつせず持論を展開している玉岡さんの姿が印象的でした。以来、多くの作品を読んできました。その後、何回かお目にかかる機会がありましたが、今回は5年ぶりのことでした。
この日は、人の移動、荷物の運搬、娯楽など江戸時代の人々にとっては身近な存在だった「船」がテーマでした。船の帆布を改良し丈夫で耐久性のある松右衛門帆を発明した、小説「帆神」の主人公・工楽松衛門について語っていただきました。
落語は「遊山舟」「兵庫舟」「船徳」「宇治の柴舟」そして「桑名舟」と5席。ふだん落語に接する機会は滅多にありません。客席を盛り上げる独特な話しぶり、間の取り方に興味津々。時には、こういう異文化体験も楽しいものです。
さあて、来週から京都に本格デビューです。画材も新調しましたから、ゆったりまったりの時間をぞんぶんに使って楽しみたいと思っています。