心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

絵を楽しみ、孫と遊ぶシニアの「秋」

2024-11-22 20:40:36 | 旅行

 きょう、大学の同窓会の結果報告と会員の寄稿をまとめた小冊子を仕上げ、皆さんに送り終えて、やっとひと息です。
 さてさて、新しい教室で水彩画を学び始めて1カ月半。きのう、サンジミニャーノ(伊)の風景画をなんとか仕上げました。全体の構図、陰影、絵の具の使い方等、先生からいろいろ課題をいただきましたので、次に繋いでいきます。
 その絵画教室の仲間が上野の芸術展で東京都知事表彰をいただいたというので、先週、横浜に行く前に寄り道して東京都美術館に行ってきました。我が教室からは他に数名が出展していて、みな力作ぞろい。レベルの高さを改めて知りました。さっそく展示会場の模様と出展作品(油絵)の写真をグループLINEで送りました。
 この日は、国立西洋美術館で開催中の「モネ展」にも立ち寄るつもりでしたが、小雨舞う金曜日の平日にも関わらず驚くほど多くの方々が詰めかけていて、(春先に中之島美術館の展覧会でお目にかかったこともあり)断念しました。その代わり、月刊誌芸術新潮11月号の特集記事「ムッシュ印象派:モネのすべて」を手に、横浜は本郷台に向かいました。
 と言いたいところですが、お昼過ぎ、ちょうど上野公園で「酒屋角打ちフェス」の開会式をやっていたので、ついつい寄り道してしまいました。東北の地酒を小さなカップに2杯だけいただいて、ほろ酔い気分で電車に乗りました(笑)。
 今回の上京は、5歳になった孫娘に会うのが目的でした。駅前で幼稚園帰りの孫娘が待っていました。大阪城に隣接する大阪医療センターで産声を上げて4年。ずいぶん大きくなりました。補助輪なしで自転車に乗ることができるようになったというので、翌日、近くの公園で腕前を披露していただきました。そして夕刻には、マグロ大好きの孫娘を連れて、お寿司屋さんで夕食会。帰りにケーキ屋さんに立ち寄って、お家でバースデイパーティーと続きました。
 次の日は、桜木町の「みなとみらい」に繰り出し、国指定重要文化財「帆船日本丸」を見学しました。1930年に建造された練習帆船で、1984年に引退するまでの54年間に1万人あまりの実習生を育てたのだそうです。畳千二百余枚相当の「帆」を広げた洋上の雄姿を思い浮かべながら、(スケールは違いますが)玉岡かおるの小説「帆神~北前船を馳せた男・工楽松右衛門~」を思い出しました。そのあと台湾料理店「鼎泰豐」で昼食を楽しみ、階下のレゴストアで暫し遊んだあと孫娘とはお別れしました。
 こんな1週間でしたが、昨夕は京都の謡曲同好会に参加しました。今期の謡本は能「巴」です。いろんな音階記号があってまだまだ要領を得ません。それでも先生の謡いに合わせて声を張り上げます。当分の間、ICレコーダーに録音した先生の謡いを聴きながら四苦八苦することになります(笑)。
 この日は、練習が終わると数人の仲間と京の街に繰り出し、しばし懇親を深めました。今年は紅葉が1週間ほど遅れ気味とか。明日から寒くなりそうですから、来週から来月初旬が見ごろでしょうか。...街路樹の銀杏の黄色い葉っぱが敷きつめられた道を歩きながら大学に通った頃が懐かしい。そんな季節が近づいてきました。人生、もうひと頑張りです。

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老いても「学び」~オンライン講座で認知症退治!

2024-11-14 20:14:07 | Weblog

 立冬を挟んで、楓蔦黄 (もみじつたきばむ)→山茶始開 (つばきはじめてひらく)→地始凍 (ちはじめてこおる)→金盞香 (きんせんかさく)と続き、旧暦ではいよいよ冬到来となるところですが、今年は何か変。11月も半ばだというのに、今日も京都は暖かい1日でした。
 お庭では、レモンの実がやっと色づき始めました。地植えしてずいぶん経ちます。最初の頃はふつうのレモンの実がなっていたのに、年を追うごとに大きくなり、これはひょっとして接ぎ木(台木)の先祖返りかと。ネットで調べてみるとジャンボレモンのようでした。
 さて、秋を迎えたホームカミングデーの日に、大学の同窓会を開きました。どのグループも参加者は高齢者が目立ちますが、回を重ねるごとに先輩たちの姿が減るのは寂しくもあります。
 そんななか、80半ばにしてなお元気な白髪の先輩女性の生き方に惹かれました。半年前に病気をされて参加が危ぶまれていたのですが、お元気にお出ましでした。終始にこやかなでウイットに富んだお話しが場を盛り上げます。呑み会にまでお付き合いをいただきました。今もマンドリン相手に楽しい老後をお過ごしのようでした。
 一方で、認知症のため常連の何人かの参加が適いませんでした。世話役の中心的存在だった先輩、学生時代に赤い帽子を被って走りまわっていた先輩、同じ職場で働き山歩きが大好きだった先輩.....。改めてシニアの「健康」を考えました。
 現在、会員の近況報告を冊子にまとめる作業をしていますが、文字から透けて見える先輩方の人生への思いをひしひしと感じる毎日が続いています。
 健康と言えば、先日、神経内科の診断で私の病名がほぼ確定しました。やはりリュウマチ性多発筋痛症でした。先月から両肩・両腕の痛み、しびれが続いていましたが、投薬治療が始まりステロイド系の薬を飲んだところ、翌日から改善の兆し。あまりの効果に「薬の怖さ」を思ったりもしました。医者の話しでは、薬の副作用が懸念されるため、改善状況を見ながら量を減らしていくのだそうです。

◇  ◇  ◇

 さてさて、ここでやっと本題に入ります(笑)。いろいろ健康に気を配る年代になった私が最近、認知症対策の一環として受講しているオンライン講座についてお話ししたいと思います。
 先日終わったのは、gaccoオンライン講座「静物画のスペクタル~レンブラントとフェルメールを中心に観察者・物質性・脱領域を考える」(東北大学で学ぶ高度教養シリーズ)です。受講料は無料。
1週目:些細なものに神を感じる~「静物画」の誕生
2週目:美的テクノロジー ~「画家・版画家」レンブラントの芸術的な挑戦 
3週目:「黒」の美学~レンブラントと〈アジア〉
4週目:陶磁器の白い輝き――フェルメールからモンドリアンへ
 空き時間を利用してパソコンに向かい講義を受けます。授業は各週8回程度に細分化されていて(1回あたり10分程度)、週当たり80分ほどの授業になります。講義の内容についてディスカッションする場もあります。
 各回ごとに簡単な小テスト、4週全講座を受講後には最終レポートが課せられます。おもしろいのは、最終レポートのうち文章回答については私以外の3名の受講生(匿名)の評価が加味されることです。私も他の受講生5名(匿名)の文章を拝見して評価します。こうして全講座の成績が60%以上あれば「修了証書」がいただける仕組みです。
 シニア向け市民講座のように、ただ漫然と聴くのではなく、緊張感をもって能動的に講義に向き合います。ボ~と聴き流していたら途中で文脈が分からなくなってしまいます。これが私の認知症対策です(笑)。
 今回も最初は戸惑いましたが何とか修了することができました。次回は12月4日開講の「自己理解の心理学」(東北大学で学ぶ高度教養シリーズ)を受講の予定です。

第1回京都高瀬川アートフェスティバル

※明日、横浜に出かけますので、ひと足早くブログを更新しました。絵画教室の仲間が出展した作品が東京都知事賞を受賞したというので、上野の東京都立美術館に寄って行きます。ついでに国立西洋美術館の「モネ展」も。呑気なシニアの「秋」はまだまだ続きます。

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呑気なシニアの「秋」

2024-11-08 13:23:38 | Weblog

 近畿地方で木枯らし1号が吹いた昨日、京都御苑の近くを歩いていると、いちょう並木の幹下にたくさんの実(銀杏)が落ちていました。最近では持ち帰る人もいないようで、無残にも踏みつぶされています。でも、ある人が話していました。京都大学構内の銀杏を拾い下処理をして受験間近い孫に渡すのだと。「落ちた実」ではなく「落ちた実を拾う」の意味なんだそうです。何とも意味深いことか。
 先日、カナダはトロントにお住まいの畑中さんから久しぶりにメールをいただきました。カナダと言えば7年前のこの時期に「紅葉のカナダ・アメリカ」ツアーに参加したことがありました。関空からバンクーバー経由でトロント着。ナイアガラの滝を見た後、ローレンシャン高原(山頂はあいにくの小雨模様でした)の紅葉を楽しみました。その後、モントリオール、ケベックを巡り、カナダの清々しい空気感が印象に残っています。
 その後、ボストン、ニューヨークを巡りましたが、ニューヨークの雑然とした街の風景に何となく居心地の悪さを感じました。そんなアメリカでは、次期大統領にトランプ氏が返り咲いたとか。日本では大騒ぎになりそうな口汚い差別発言やパワハラ発言を繰り返した候補が当選するとは、何たる皮肉なことか。
 昨日、京都の講座でジャーナリスト・足立真理さんから「世界の分断リスクと日本の情勢」と題するお話しを伺いました。ポピュリズムが世界を揺るがす混迷の時代。専制主義が広がりつつある中、完全な民主主義といえる国は196カ国のうち24カ国に過ぎず、世界人口の3割に満たないとか。
 戦後教育の中で私たちが学んできた「民主主義」とはいったい何だったのか。「グローバル化」と「自国第一主義」、そしてSDGs(持続可能な開発目標)........。先行き不透明感が漂うなかで、
それらにとってかわる新たな指針が求められているのかどうか。改めて問いかけられているような気がいたします。
 気分を変えましょう。先日、シニア仲間たち14名(男性は4名)が集いました。8年前に出会った講座の受講生仲間たちで、年数回の会合をもっていて、いつも全員参加が自慢です。今回は会員のご自宅に集まり、真っ昼間からビールやワインで大賑わい。その後は、元小学校の先生をしていたという方の企画で、カードゲームや黒髭危機一髪ゲームに興じ、後期高齢者にして童心に帰ったひと時でした。たまには小難しいことは横に置いて、ひたすら「遊ぶ」ことに集中することが健康寿命を伸ばすひとつの方法かもしれません。
 昨日は昨日で、京都講座で水彩画の時間に先生から葉っぱの描き方や水彩絵の具の使い方についていろいろ課題をいただきました。その後の謡曲同好会では観世流能楽師の先生から謡いの手ほどきを受けました。まだよちよち歩きですが、終了後、ケーキ屋さんで反省会という名のお茶会を開いて帰りました。大阪でも京都でもシニアの皆さんは元気です。
 そうそう。愛読している新潮社WEBマガジン「考える人」に、先月から恐山の禅僧・南直哉さんの連載記事「答えなんか言えません」が始まっています。第1回「仕方がないんだ。人生は」、第2回「悩み方が分からない若者たち」。ついつい読んでしまいます。ちなみに、前回の連載はその後、新潮新書「苦しくて切ないすべての人たちへ~生きているだけで大仕事」として出版されています。 さあて、週明けに神経内科の再診が待っています。ここで病名が確定すれば、いよいよステロイド系の投薬治療が始まります。その後週末には5歳の誕生日を迎える孫娘のお祝いに、横浜にちょっくら出かけてきます。

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タブレットと遊ぶ ~ デジタル版新聞の楽しみ方

2024-11-01 15:54:43 | Weblog

 ひと雨ごとに寒くなっていく今日この頃、プランターで栽培している野菜たちはすくすくと育っています。
 かく言う私は、原因不明の両肩&両腕の痛みを引きずっています。神経内科で精密検査をしてもらったところ、精緻な分析結果は出ていませんが、リウマチ性多発筋痛症の疑いありとのこと。今月半ばから投薬治療が始まります。1、2年かかりそうです。当分病院通いが続きます。
 ところで、最近、自宅でのパソコンの利用が、精緻なデータ処理からネット閲覧、ブログ更新、メールの送受信など軽いものにシフトしています。
ならばと、タブレットを新調しました(11インチ)。スマホより画面は大きく持ち運びも便利。文字も拡大表示できます。なによりも裃をつけないでソファーに座って気楽に操作できるのが良い。
 初めてネットの世界に足を踏み入れたのは30年近く前のことです。当時はADSL形式で電話回線とパソコンをLANケーブルで繋いでいましたが、今では家中にWi-Fiが張り巡らされどこにいても簡単に繋がります。ブログを見たり、YouTubeを見たり、電子書籍を読んだり。
 タブレットを新調したのを機会に、購読中の朝日新聞デジタル版を、記事を読むだけの「スタンダードコース」(月額1,980円)から新聞紙面も見ることができる「プレミアムコース」(月額3,800円)に変更しました。
 数年前に新聞の宅配を止めてデジタル版に移行していますが、加齢と共に難儀なことに気づいたんです。社会に張り巡らす私自身のアンテナ感度が落ちてきたことです。興味本位にその日の記事を断片的に眺めることはできても、時代の大きな流れ(ダイナミズム)の中で自らの関心事を再定義する視点が弱まっています。
 歳をとれば仕方ないことですが、新聞紙面に掲載されている様々な記事を視覚的に鳥瞰することで、読みたい記事を大きな時代の流れの中で問い直すことができます。書評もそう。新聞広告だってひとつの世相を反映しています。新聞との向き合い方の原点回帰です。
 今回初めて気づいたんですが、読みたい記事に「音声読み上げ」機能がついていることにも驚きでした。AIによる機械音声ですが、シニアにとって文字を追うことに疲れたときは便利です。
 月刊誌「Newton」の第一特集記事を見ることもできます。今月号のテーマは「不死のサイエンス~老化にいどむ最先端研究と未来の人体」でした。不老不死に向けて様々な研究開発が進めれている現状が紹介されていて興味津々です。
 別に朝日新聞の宣伝をしているわけではありません。各社ともいろいろ創意工夫を凝らしています。超高齢社会を迎えて、新聞各社の購読者サービスに変化の兆しを感じます。

◇    ◇    ◇

 明日から雨が降りそうなので、今日は午前中に京都・知恩寺の「秋の古本まつり」を覗いてきました。(いえいえ、この時間、もう降り出しています。)
 連れて帰ったのはお能の謡読本「巴」「西行桜」「土蜘蛛」(3冊で500円なり)。他に山折哲雄対話集「こころの旅」(990円)と鶴見和子&頼富本宏「曼荼羅の思想」(500円)。
   そのうち能「巴」の謡本は、来週の謡曲同好会で使うテキストです。文字だけ追っても臨場感がないので、タブレットで能「巴」のYouTubeを見ながら台本を追います。
 墨で書かれた謡の台本。タブレットの画面に広がる能舞台。新旧取り合わせて新しい世界が広がります。

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