4月中旬から続いた長短織り交ぜた旅行もやっと終わりました。締めくくりは、先週末から月曜日まで3泊4日の日程で出かけた「お上りさんの東京見物(その5)」でした。
初日、お昼前に羽田空港に到着すると、上野の東京都美術館で開催中の「クリムト展~ウィーンと日本1900」に向かいました。ウィーンのヴェルヴェデーレ宮殿でお目にかかったのは2年半ほど前のことでしたので、嬉しい再会となりました。
観終わったあと、遅めの昼食をいただきました。お店はJALパックのオプションプランである「すしざんまい上野店」。なんと2200円の「こころ粋《大名椀付き》」を、たった100円でいただきました。この価格設定って一体どうなっているんでしょうね。でも、美味しくいただきました。
次に向かったのは千駄ヶ谷にある国立能楽堂でした。やっとのことで手にいれたチケットでしたが、600余りの客席は満席で、大阪では味わうことのできない熱気を感じました。座席の背には字幕を映し出すディスプレイが設置され、日本語と英語いずれかを選ぶことができます。さすが国立能楽堂です。この日は「末広がり」「二人袴」「蝸牛」の狂言を楽しみました。
その日のお宿は錦糸町駅近くのホテルでした。北斎美術館など古き良い時代の江戸の面影が残る両国、錦糸町界隈が、私は妙に気に入っています。ホテルの窓からは、米国大統領がお見えということで、青白赤の星条旗カラーに衣替えした東京スカイツリーが真正面に見えました。
翌日は、早朝から次男君夫妻と鎌倉に行く予定にしていました。お嫁さんの安産祈願のためです。しかし残念なことに、次男君が急に高熱を発してダウンしてしまいました。仕方なくシニア夫婦だけで行くことにしました。
行先は、鎌倉駅から歩いてすぐのところにある大功寺です。ちょうど戌の日にあたっていたので安産腹帯授与所は大勢の妊婦さん夫妻で混雑していました。生年月日や出産予定日などの基本情報をメールで教えてもらい、お婆さんがお嫁さんに代わってお守りと腹帯をいただきました。どんなに医学が進んでも、最後は神さま仏さまにすがることで気持ちを楽にするということでしょうか。多くの若いご夫婦がご両親に誘われてお越しになっていました。
鎌倉にはずいぶん以前に来たはずなのに、あまり思い出せません。時間がたっぷりあったので、鶴岡八幡宮や鎌倉大佛殿・高徳院、鎌倉長谷寺をお参りしました。紫陽花には少し早かったのですが、美しい青紅葉を堪能いたしました。
電車で移動中、若くして亡くなった私の兄が住んでいた「藤沢」という駅名がありました。亡き叔父の家がある「保土ヶ谷」という駅もありました。私の両親が新婚時代に住んでいた東京杉並の荻窪には未だ行ったことはないのですが、昭和の初めの頃、両親や兄、叔父たちの生活圏だったことを思うと、当時のことは全く知らないのに何となく懐かしさがこみ上げてきます。........こうやって私が旅に熱中しているのも、ひょっとしたら「終活」のひとつなのかもしれません。
さてさて、三日目は日曜日ということで、長男君一家のほか熱も下がった次男夫婦も交えて、東京・竹芝桟橋から東京湾クルーズ「ヴァンテアン」に乗って、少しリッチなランチを楽しみました。レインボーブリッジ、豊洲市場、お台場、大井埠頭、羽田空港沖といった東京湾の見所スポットを巡る2時間ほどのクルーズでしたが、お上りさんにはちょうど良いコースだったかもしれません。半年ぶりの再会で話は尽きず、下船したあとも時間が許す限りの楽しいひと時を過ごすことができました。
その日の夜は横浜みなとみらい界隈のホテルに泊まり、翌日ランドマークタワーの上から横浜の街を眺めたあと帰路に着きました。
お上りさんの東京見物(その5)は、ざっとこんな感じでした。帰阪した翌日は講座運営のためお出かけ、その夜はシニア7人組の呑み会でした。そしてきょうも午前中は打ち合わせがありましたが、午後、家に帰るとやっとひと息です。明日は終日休息日。4、5日ゆったりと過ごせそうです。
きょうは、R.シュトラウスの楽劇CD「ばらの騎士」を聴きながら、のんびりとブログ更新です。この曲は、村上春樹の「騎士団長殺し」の中でなんども登場する曲でもありました。