先週末、4回目の四国遍路ツアーに行ってきました。初日の後半から小雨舞うあいにくのお天気でしたが、桜が散り始めた境内ではボタンやシャクナゲが温かく迎えてくれましたし、境内の片隅にひっそりと佇む苔むした石仏が私の心を和ませてくれました。
今回のお遍路では、コロナ後ということもあるのでしょうか、外国人のお遍路さんに至る所でお会いしました。ほとんどの方が歩き遍路で、笑顔で「こんにちわ」とご挨拶いただきます。なかには僧侶姿の方もいて、静かに般若心経を唱えていらっしゃいました。白川密成さんがおっしゃっているように、「四国遍路を世界遺産に」という掛け声が現実味を帯びてきます。
そう言えば昨日、「西国三十三所」がスペインの世界遺産「サンティアゴ巡礼路」と友好提携を結ぶことになったという新聞記事を目にしました。
今回は16番札所から23番札所まで8カ寺を巡りました。効率的に巡るため順不同。最初にお参りしたのは18番札所の恩山寺でした。弘法大師の母・玉依御前が大師を慕ってやってきたというお寺です。
次に向かったのは標高600メートルほどのところにある21番太龍寺。ロープウエイで登りました。空海が19歳の頃、阿波の国を一望できる舎心嶽で虚空蔵求聞持法を修行したことで知られています。虚空蔵菩薩と言えば寅年の守護本尊。寅年の私にとっては思い入れのあるお寺でもあります。
山を下りて今度は22番平等寺。このお寺ではいつも手水場に目をやります。この日もさりげなく活けられた青もみじとランの花が遍路の疲れを癒してくれました。
この日最後にお参りしたのは、ウミガメの産卵地で知られる日和佐湾を一望できる23番薬王寺でした。阿波国最後のお寺で、山門を出ると室戸岬の24番最御崎寺に向かう矢印があります。炎天下、太平洋を横目に一日中歩き通してやっと辿り着ける距離になります。
徳島駅前のホテルに泊まった翌日は、朝から17番井戸寺、16番観音寺、そして20番鶴林寺と巡り、最後は19番立江寺をお参りしました。
前回は立江寺から10キロほど歩いて民宿「かねこ屋」に投宿。翌朝早く宿を出て鶴林寺に向かいました。寒い冬の時期、延々と続く杉林の中を歩いて登ったことを思い出します。
立江寺では、これまで二度お参りしながらいつも完売になっていた名物「たつえ餅」を門前のお餅屋さんで買うことができました。帰阪後、婆さんとおいしくいただきました(笑)。
私は、リタイアした直後に1回目の遍路ツアーに参加しました。物足りなくて1年後に区切り歩き遍路で数年かけて一巡しました。そして今回が三回目の遍路ツアーになります。後期高齢者年代をひかえて人生ひとつの結節点を迎えつつあります。新たな生き仕方を考える時間でもあります。
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さて、4月も半ば、ネットで全国旅行支援と格安JALパックプランを眺めていたら、運よく出雲行きのチケットを買い求めることができました。来週前半、お墓参りのため田舎に帰ってきます。急に思い立っての二泊三日の小旅行です。認知症が進行している姉にも会ってこようかと......。そうこうするうちに春の古本祭も迫っています。リュックを背負って大阪・四天王寺と京都・岡崎のみやこめっせに行ってこなくては。当分、なにかと落ち着きのない日々が続きます。